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Facebook、Amazon、Google、IBM、Microsoftが「Partnership on AI」を設立した件

Facebook、Amazon、Google、IBM、Microsoftが人工知能で提携して「Partnership on AI」を設立したことが話題になってますね。

Facebook、Amazon、Google、IBM、MicrosoftがAIで歴史的な提携を発表 | TechCrunch Japan

ちょっと前に、ホワイトカラー労働者が人工知能に取って代わられる未来に備えて…みたいなこと書いたばかりだし、一応Amazon、Google、Microsoftの株を持ってたりするので、ちょっと興味をそそられて調べてみました。結果、あんまりそのへんに直接的な影響がある話でもなかったんですが、せっかくなので調べてわかったことと思ったことを書いておきます。

ちなみに、今のところあんまり大した情報は出てませんが、Partnership on AIの公式サイトはこちらです。

人工知能は今後注目の分野ではなく、既に今注目の分野

なぜ今Partnership on AIを設立したのかということについて、公式サイトでは「ここ数年の間にディープラーニングや自然言語処理などの技術が大きく進歩し人工知能を使った実用的商品やサービスが激増している一方、倫理に関する問題、経済、プライバシー、透明性、バイヤスや包括性などの社会的影響や、テクノロジーに対する信頼性なども懸念となってきている」というようなことを述べています。また、Partnership on AIが設立された経歴として、「Facebook、Amazon、DeepMind/Google、IBM、Microsoftは、それぞれ何年も人工知能関連の技術を開発してきているが、各社の科学者たちは人工知能がどのような社会的影響を持つか、どのように社会的懸念に対応できるかなどについても議論してきていた。そしてワークショップや技術者会議でそれらが話題にのぼることもしばしばあり、その流れでNPOを設立したらどうかという話が今年のはじめに出た」と説明しています。

Facebook、Amazon、Google、IBM、Microsoftはライバル同士ではありますが、人工知能の応用がどんどん実用化していくなか、このあたりで社会的懸念など共通した外的要因に業界として対応できる体制を整えたほうが良いのではないかという話になったのでしょう。つまりは5社を動かすほど人工知能の市場と可能性が大きくなってきたということじゃないですかね。あたしは「人工知能は今後注目の分野かも」と思ってましたが、これ読んで「ああ、これもう“今後“とか“そうかも”ってレベルじゃないのねー」と思いました。

Partnership on AIの真の目的は業界として外的要因に対応すること

Partnership on AIが目標として掲げているのは以下の3つです。

  • 倫理、公正性・包括性、透明性、相互運用性、プライバシー、人と人工知能システムの連携、テクノロジーの信用性・信頼性・堅牢性に関する成功事例の調査や提案をすること
  • 人工知能の研究者や関係者が直接意見を交わし合って行動するためのオープンプラットフォームを構築・提供すること
  • 人工知能に対する一般市民の知識や理解を高め、人工知能に関する疑問や懸念を解消するための窓口となって最新情報を発信すること

具体的には医療や交通など、部門ごとに作業部会を設置して部門に特化した人工知能の応用についての調査を行なったり、教材を作成したりフォーラムを開催したりして一般市民に情報発信することを視野に入れているようです。

つまり、提携して何かの開発をする意図はとりあえずはないということです。その辺はライバル同士のままで、外的環境への対応は協力しようということです。ちょっとつまんないんですが。

ちなみに議員などに働きかけるロビー活動はしないと言っていますので、政策的な外部環境に関しての協力はないようです。

Apple、Twitter、Intel、Baiduなどが未参加なのは意図的戦略か

Partnership on AIは「ワークショップや技術者会議で話題が出ることがあり、その流れでNPOを設立したらどうかということになって」できたわけなので、業界各社のメンバーが集まるような場で人工知能の社会的影響やテクノロジーの信頼性の問題について議論されることが今まであったということですよね。また、5社が協力することに至った理由として公式サイトでは「複数社から利害関係者が集まり、自由で包括的なやり方で課題や好機を挙げて対応していくのが一番だと考えたから」と説明していることを考えると、今回5社しか参加していないというのはちょっと不自然です。

なので、意図的に5社だけで始めようということになったんじゃないかと思うんですが、Amazonを代表して参加しているRalf Herbrich氏は「この組織を通じて、業界の最も優秀で才能のある者たちを入れた形で顧客からの信頼や社会に対する利便性を高める議論を行うことが可能になる」と述べています。つまりそういう意味なんじゃないですかね?これを機会に5社を業界リーダーとして位置づけて、他と差別化しとこう、みたいな。

ちなみに、公式サイトでは「様々な分野の方に参加していただきたいと思っていますので、我々の取り組みに興味がある方は是非メールしてください」と述べてメルアドを掲載していたりします。これでAppleとかがメールしてきたら笑える。

代表メンバーの経歴から見てなんとなく予想できること

5社の代表メンバーは以下の通りです。

  • Ralf Herbrich(Amazon):現在Amazonの機械学習の責任者ですが、FacebookとMicrosoft Researchでも働いていた経歴がある人物です。予測などの確率学習を含む機械学習、画像認識、コンピューターゲームなどを手がけていて、研究分野はベイズ推定、意思決定、強化学習、コンピューターゲーム、カーネル法、統計学習理論です。
  • Mustafa Suleyman(DeepMind):AlphaGoを開発してプロの囲碁棋士を破った会社、DeepMindの創始者の1人です。2014年にDeepMindはGoogleに買収されていますが、彼はその後もDeepMindの応用人工知能部門を率いていて、2016年には病気の早期発見などにより医療従事者を補佐するテクノロジーを開発するDeepMind Healthを設立しています。MicrosoftのEric Horvitzとともに暫定共同議長を努めます。
  • Greg Corrado(Google):各社代表1名となっているので、なぜDeepMindとGoogleでひとりずつ出ているのかちょっと不明なんですが、Corrado氏はGoogle Researchの科学者で、Google Brain Teamの創始者の1人でもあります。経歴としてはGoogleの検索エンジン用の機械学習人工知能RankBrain、メールの内容に合わせて返信文の選択肢を提示してくれるSmart Reply、人工知能ソフトのライブラリTensorFlowなどを開発しています。現在は機械学習をコミュニケーションや医療で応用する研究を行なっています。Googleに来る前にIBMで働いていたという経歴の持ち主です。
  • Yann LeCun(Facebook):Facebookの人工知能研究の責任者です。AT&T Bell Laboratoriesで画像処理の研究を率いたり、ニューヨーク大学で教授を務めたりという経歴の持ち主で、2012年から2014年まではニューヨーク大学のデータサイエンスセンターの責任者を務めていました。2014年にはIEEEからニューラルネットワークパイオニア賞を受賞しています。
  • Francesca Rossi(IBM):IBMのトーマス・J・ワトソン研究所の研究者であり、イタリアのパドヴァ大学の教授でもあります。専門分野は制約推論、選好、マルチエージェントシステム、計算論的な社会的選択、集団的意思決定です。また、人工知能を使った集団的意思決定のサポートシステムの開発などにおける倫理的問題の研究も行なっています。AAAIの著名なメンバーの1人として人工知能と倫理の委員会を率いています。
  • Eric Horvitz(Microsoft):Microsoftのテクニカルフェローであり、レッドモンドの研究所の責任者でもあります。専門は機械知能、そして人と機械知能の相補性の活用で、機械知覚、機械学習、機械推論の研究以外には、情報検索、医療、交通、OS、航空宇宙産業などで役に立つ実用的なシステムを構築することに熱意を持っているとのことです。

以前お互いの会社で働いていた関係とか、大学の関係者同士の関係とか、単に個人的なネットワークがそもそもこの5社が集まることになった理由だったんじゃないかと思わせるようなメンバーです。そしてもしそれが本当であれば、わりとそれぞれが自由に自分の采配で物事を決断して動かせる立場にいるのかもしれません。で、そう考えてさらに勝手な想像をすると、この人たちが最初に手がける(または力を入れる)のは医療分野ですねー。

…ということで注目すべきは医療分野での人工知能の応用ですよ。(←ホントか??)