こんにちは~。
遅ればせながらFund of the Year 2017の結果を見て、「全世界株式インデックスって、あんた……」と思った今村です。
投信とかETFは、コストが多少高くても地域やセクターに特化したものを買った方がいい。例えば最近はテクノロジーが明らかに強いから実際にそういうファンド買ってればリターンは平均を上回ってた。そうやって何かに賭けないで、全世界株式インデックスとか選んじゃうのって投資家として怠慢すぎない?
— 今村咲 (@saki_imamura) 2018年1月15日
つみたてNISAで「20年間は何が何でも保有するぞ、絶対売らない!」っていう決心のもとに、いかに20年間リスクとコストを抑えて保有できるかっていう視点で選ぶのなら、まあアリかなとは思いますが、投信ブロガーを名乗る方たちが(つみたてNISAのみで考えてるわけではないはずだと思うんだけど)全世界株式インデックスを一番に選んだのは正直ちょっとビックリしました。
いやー、いろんな考え方があるんですねぇ。
……てなことをつらつら考えていて、そう言えばあたしはアメリカの個別株の選び方については書いたけど、投信とかETFをどう使ってるかついては書いたことなかったなぁと思ったので、今日はその辺について書きます。
真似したいと思うかどうかは別としても、「へぇー、そういう考え方もあるのねー」くらいには面白いかもしれないので、一応読んでってください。
個別株との使い分け
この記事の「個別株・ETF・投信」のセクションでも書いていますが、今村はドル資産を「個別株」と「ETF・投信」に分けて運用しています。
個別株
今村にとって、個別株は集中投資のツールです。
グッと来たものを買って、売る理由がない限りずっと保有するわけですが、保有し続けることにこだわっているわけではないので、2年くらいは見守りますが、それでダメな場合やグッと来なくなってきた場合は、わりとあっさり売っています。
一方、経済が落ち込んできたり市場が暴落しても、その銘柄自体の問題でない場合は、無視してずっと保有しています。
分散の概念はもちろん、ポートフォリオのリバランスとかいう概念もガン無視しています。
ETF・投信
対して、ETFや投信はトレンドに乗るためのツールです。
買うのは、良いと思うセクターや地域に特化したファンドで、市場全部を含むインデックスファンドを買うことはありません。
パターンは以下の2つです。
- 個別株ですでに投資しているセクターや地域でも、全体的に盛り上がってきていると思ったら比重を増やすためにそれに特化したETFや投信を買う
- 特定のセクターや地域が有望だと思っても、自分で個別株を選べるほど知識がない場合、投資をアウトソーシングするためにそれに特化したETFや投信を買う
パフォーマンスだけでなくコストももちろん見ますが、基本的にはパフォーマンスを提供してくれそうなら相応の報酬を払うことは気にしません。
個人的には「勢いづいて来ているセクター・地域」+「それまでそのセクター・地域でコンスタントにリターンを出せているファンドマネジャー」の組み合わせの場合、報酬料が多少高くても払う価値は十分あると思っています。
あと、投信とETFは波乗りっぽい感じなので、個別株のようにずっと保有する前提はなく、年に1、2回は市場の状況にあわせてセクター・地域の入れ替えをしたり比重を調整したりしています。(有望だと思うものを増やしてそうでないものは減らしているだけなので、こちらも分散とかリバランスのためではありません。)
当然ですが、分散のためだけに、グッと来ないセクターや地域にわざわざ投資したりすることはありません。
分散についての考え方
分散 vs. 集中についてはここでちょっと書いていますが、「どれかハズレてもどれか当たるだろう」じゃなくて、「これならどれも当たる可能性が高いだろう」というスタンスでポートフォリオを組む方が合理的だ、というのが今村の考えです。
統計的に言うと、分散というのはリターンをその市場の平均に近づける行為です。分散すればするほど、市場を大きく上回ることは統計的に不可能となります。
ただ、知識や経験がなくて全くランダムにしか投資できない場合は、平均に近づく方が何倍もマシということになるので、分散することが大事になってきます。
つまり、知識も経験もなくて、全く自信がない場合はマックスで分散すべきで、ある程度知識や経験があって、妥当な判断ができそうな場合はその分分散を減らすべき、ということです。
インデックスファンドに対する考え方
「分散はあくまでも自分の判断の弱い部分を補うためのもの」と考えると、自分がどのレベルのインデックスファンドを活用すべきなのかはわりと簡単に分かります。
「今世界中で強いのはどの経済か」とか「今後はどうなりそうか」というところからもう分からない場合、全世界株式インデックスファンドにしておけば、全世界の平均は得られます。
でも「この地域が有望っぽい」「この地域はどう考えてもダメだ」くらいは分かるのであれば、その地域だけのインデックスにするとか、ダメな地域が含まれていないインデックスにするだけで、全世界の平均より良いパフォーマンスを出せる可能性が高まります。
セクターに関しても同じです。全部含むインデックスより有望なものだけ含むファンドや、良くないものを除いたファンドの方が効果的です。
今村の例
……ということで、今村が具体的にどう投信やETFを使っているかちょっと例をあげておきます。
テクノロジー
テクノロジー関連はわりと個別株でいろいろ持っています。
でも、どんどん業界自体が盛り上がって来ていたので、去年の初めくらいにテクノロジーに特化したETFを買って比重を増やしていました。
既に持っている銘柄の比重を増やして、個人的にはぐっと来なくて特に買いたいと思わないけど伸びてる銘柄や、ぐっと来るけど盛り上がりすぎてて株価的に買いたくない銘柄なんかをカバーしたというわけです。
これは大正解でした。
ヘルスケア
今村にとって、ヘルスケアは有望だと思うけど苦手な分野です。
理屈上この辺は伸びるんだろうなぁとなんとなく思える程度で、深く理解できていないというか、「これがこうなったってことは今後こうなるでしょ」みたいな勘がピピッと働かないんですよね。
昔は個別株でも買ってましたが、当たり外れが激しくてどうもセンスがないとわかったので、今は投信とETFでアウトソーシングしています。
ヘルスケアと言っても製薬とか医療機器とかいろいろあるわけですが、この辺はヘルスケアのファンドをざっと眺めて何に特化してるところが勢いづいているかを参考にして比重を調整しています。
結果、わりとS&P500より成績が良いことが多いです。
中国
「投信をざっと眺めてどこが勢いづいてきているか見当をつける」というやり方は意外と使えます。
何年も前、中国株が最初に勢いづいてきたとき、それを実感したのは一定のフィルターをかけて投信を検索するとトップに中国に特化したファンドが並ぶようになってきたときでした。
でも、中国がもの凄く成長していることやそれがしばらく続くことが理屈上分かっても具体的に何を買えばいいのかまでは分からなかったので、こちらも投信でアウトソーシングしました。
で、その後、1、2年で同じように検索しても中国のファンドがだんだんトップに挙がらなくなってきたので全部売ったんですが、結果的にはこの一連のトレードも結構大きくプラスになりました。
まとめ
どうですか?
投信やETFは自動分散のツールとしても使えますが、ざっくり世の中の流れに乗るツールとして使った方が効果的だと思うんですよね。
「銘柄を選ぶ自信はないけど大体の見当はつけられる」という場合にすごく使えるし、販売手数料や信託財産留保額がない投信の場合、比重の上げ下げもコストゼロで行えます。
それに、1つのセクターや地域に絞る必要はないわけなので、分散のための分散もどうしてもしたいのであれば、有望なものを複数のセクターや地域に渡って買えばいいだけです。
まあ「投資には時間も労力も注ぎたくないし世界平均のリターンで十分」という場合は、もちろん全世界株式インデックスが一番ですが。