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老後資金の計算の仕方に見る日米の考え方の違い

みなさん、老後資金について考える時どんな想定をしていますか?

以前「日本の人があまりにも投資してなくてビックリした」という話をしましたが

投資リスクに対する考え方を変えれば投資も変わる

今村は、日本での老後資金に関する考え方についても情報を見かけるたびに結構ビックリしていました。日本もアメリカも先進国だし、老後資金に関する考え方なんてさほど変わらないと思うでしょう?でも意外と違うんです。

で、改めてその違いについて考えていて、なんか国民性とか経済の違いが見えて面白いなぁと思ったので、今日はその話をします。

平均に意味はない、という前提

あたしが日本でよく聞くのが「老後に必要な資金は3,000万円」です。たしか、持ち家がある夫婦という設定で、年金などを含む平均収入から平均支出を引いて、足りない分に平均余命をかけてそれに生活費じゃない出費を足すと3,000万円、みたいな話ですよね?(違ってたらごめんなさい)

他の数字もたまに見かけますが、「本当に3,000万円必要なのか」とか「3,000万円も必要ない」とか3,000万を基本にして諸々の平均数値を変えて考えるパターンが多いように思います。

一方、アメリカでは、あんまり特定の数字を聞きません。資産形成上、ミリオネアかどうかというのがある種のマイルストーンになっていたりはしますが、「一般的に老後資金として必要とされる金額」というのはないです。

アメリカは日本と比べて年収の幅がすごく広いし、ライフスタイル的にもホントにピンからキリまであるし、平均なんてものは意味がないんでしょうね。

なので、「老後に必要な資金」という話になると、大抵の場合は、平均を元にした試算ではなく、シミュレーションモデルが提示されます。

仮定の違い

じゃあシミュレーションモデルの設定は日本で試算するときの仮定とどう違うのか?

以下では違いがある項目をそれぞれ見ていきます。

退職する年齢と寿命

日本の試算

日本では、退職する年齢を65歳とし、厚生労働省が出してる簡易生命表で65歳まで生きた人の平均余命を使うか、国立社会保障・人口問題研究所が2050年時点で少なくとも4人に1人が生きる寿命を使うパターンが多いんじゃないでしょうか。

ちなみに簡易生命表を使うと男性が余命19年(つまり寿命84歳)で女性が余命24年(つまり寿命89歳)、人口問題研究所のデータを使うと男性の寿命が93歳で女性の寿命が98歳ということになります。

アメリカのシミュレーションモデル

一方、アメリカでは、ユーザーが現在の年齢とともに、自分の判断で退職年齢と老後の年数をモデルに入力するパターンが最も一般的です。で、その場合、「最低でも90歳までは生きると想定しましょう」などとコメントが入っていたりします。寿命が既に設定されているモデルもたまに見かけますが、大抵90~95歳くらいに設定されています。

アメリカの平均余命は日本よりずっと低くて平均寿命は78歳とか79歳とかだし、最近は肥満が問題で死亡率が上がってるとか言ってるくらいなので、こうやって改めて考えてみると「何を根拠に90歳と言っているのだ、お前は?」って感じなんですが、とにかく最低90歳なわけです。まあ、想定より長く生きちゃうことはリスクですから、多目に見積もっておくということでしょうか。

ちなみに今村は100歳まで生きる気満々なので、この手のシミュレーションモデルではいつも寿命が100歳になる計算で入力してます。

インフレ

日本の試算

あたしは日本でインフレが加味されてる試算を見たことがありません。これも結構ビックリしました。でも、実際の消費者物価指数を見てみると日本って1990年代後半からあんまり変わってないんですよね。

そうか、そう言えば日本は逆にデフレが云々って話だったもんな、と思いましたが、何十年も先のことを考えるときに全くインフレがないっていう想定するのってリスクじゃないのかな?それともインフレになる可能性は皆無っていうのが普通の認識なのかな?それはそれでちょっとマズイんじゃないかな?それに消費税が上がるだけで消費者物価指数は上がる計算なんじゃなかったっけ?……と疑問も多いです。

アメリカのシミュレーションモデル

アメリカではずっと一定レベルでインフレが続いています。なので、当たり前ですがシミュレーションモデルは必ず2~3%のインフレを考慮しています。たまにユーザーが任意の数値を入れるモデルもあり、0%を選択することができたりしますが、少ないです。

インフレがあると想定するというのは、つまり、何年か先に自分の老後生活が始まるときには今より物価が高いし、老後生活中も物価は一定レベルで上昇し続けるからその分多目に資金が必要になるということです。

また、普通に資金を運用していても実質的にはインフレで一定レベルのリターンが帳消しされる計算になる、ということです。

老後の生活費

日本の試算

日本では最初に述べた「平均」を使った考え方が主流ですよね。持ち家がある夫婦、持ち家がない独身など、パターンごとの平均を使って試算するやり方が一番多い気がします。あと今の収入の何割、みたいな考え方もたまに見ます。

そしてどのケースでも基本的には「最低いくら必要か」という観点で考えています。

アメリカのシミュレーションモデル

アメリカではこれも自分で判断して入力する項目です。「現在の年収は?」「退職するまでの年数は?」「老後に必要だと思う年収は?(現在の年収に対する割合で)」という感じで聞かれるパターンが一般的です。そうするとインフレも加味した老後の必要年収が計算されるわけです。

で、老後に必要だと思う年収の割合としては「80%くらいが標準です」みたいな参考コメントがある場合もありますが、150%とか、上限が100%以上でも設定できるケースがほとんどです。つまり、なんでもアリなわけです。老後に豪遊もアリ。

もちろん、最低いくら必要なのか知りたいと思ってシミュレーションする人もたくさんいると思いますが、「いくら欲しいか」がまずあってそこから現実的な調整をする、みたいな感じです。

あと、モデルによっては「今後どのくらい年収の上昇が見込めますか?」という質問があることもあります。その場合は、年換算して何%くらい年収が上がるかを加味して、最終年収の◯%が老後に必要な年収とします。

投資スタイルや想定リターン

日本の試算

日本の試算では投資スタイルや想定リターンが問われるものを見たことがありません。一般的には資産は運用しないという前提みたいです。これも個人的にはビックリでした。

アメリカのシミュレーションモデル

アメリカでは資産は運用するのが前提です。資産を全く運用しない前提のモデルは見たことがありません。資産運用の項目はあるけれど想定リターンを0%に設定するのは可能というケースはたまに見ますが、そういうのは大抵、退職前と退職後の想定リターンを別々に設定して退職後は退職前よりもリターンを低く想定できるようにという意図があったりします。

ちなみに、想定リターンは大体0~15%くらいで選べるのが一般的です。6%、8%、10%の3つの選択肢しかないモデルも見たことがあります。

また、想定リターンでなくて投資スタイルを聞いてくるモデルもあります。どう資産配分するかを入力するとそれぞれの平均リターンで計算してくれるという形です。その場合は想定リターンをゼロにするような「投資しない」という選択肢はありません。

年金

日本の試算

これも日本は、夫がずっと正社員で妻が専業主婦だった場合などパターンによって平均いくらという計算が普通だと思います。将来的に減額される可能性や受給開始年齢が引き上げられる可能性を検討するケースもたまに見ますが、とにかく年金はもらえるという前提です。

アメリカのシミュレーションモデル

アメリカのソーシャルセキュリティーはモデルに組み込まれているケースもたくさんありますが、 その場合、含まない数値を表示するオプションがあったりします。また、最初からユーザーが金額を入力するモデルも結構あります。

つまり、もらえないケースも検討できるということです。

ちなみに今村はアメリカで十数年分ソーシャルセキュリティーを納めていますが、あてにできるのか分からないので最初から貰えないと仮定して考えています。日本でも帰国してから年金を納めていますが(そして日米社会保障協定というのがあるので、日本での加入期間が足りなくても貰えることにはなっているのですが)こちらもあてにするのが嫌なので貰えないということにしています。

まとめ

どうです?日米の国民性とか経済の展望に対する認識の差が出てると思いませんか?

アメリカは日本より厳しくリスク設定しているけれど、給与や資産運用に関しては日本よりずっと楽観的です。一方、日本は給与が上がることや資産運用で得られるリターンなどのプラスは加味しないけれど、インフレや年金などの外部的要因に関しては楽観的です。

どちらが正しいというわけではないですが、自分としてはどう考えるべきなのか、改めて考えてみるのもいいかもしれません。