経済的自由のススメ

好きなことで労働所得を得て、投資で不労所得を得て、それを死ぬまでに全部使い切る、という生き方のススメ

今後のソーシャルレンディングのゆくえ

先月、証券取引等監視委員会からみんなのクレジットの行政処分を求める勧告が出され、みんなのクレジットは業務改善命令と1ヶ月の業務停止命令を含む行政処分を受けることになりました。

勧告の内容についてはこちら。

みんなのクレジットの行政処分勧告から投資家が学ぶべきこと

日本のソーシャルレンディングには、以前こちらで説明したような仕組み的な問題がありました。

ソーシャルレンディングって大丈夫なの?と思う人へ

今回のみんなのクレジットの件では、ここで危惧されていたことが実際に起こってしまったというわけです。みんなのクレジット側は親会社の資金管理体制に問題があっただけで投資家を欺く意図はなかったと述べていて、実際ファンドの資金を自身の借入返済などに使用していた白石代表は辞任することになったようなので、

www.crowdport.jp

今後きちんと返済があって実際に投資家が被害を被ることがないことを祈るばかりですが、改めて「ソーシャルレンディングってマジでどうなのよ??」 と思った人もいるかと思います。

なので、今日は今村が今後のソーシャルレンディングのゆくえについて考えてることをまとめます。

ソーシャルレンディングの本質は変わらないし、市場は更に拡大する

リーマンショック後、銀行融資に対する規制が厳しくなったために銀行が対応できなくなった貸し付けが増加し、ソーシャルレンディングはそのニーズを埋める形で発展してきたわけですが、この辺の事情は変わっていません。

また、NISAやロボアドバイザーなど、投資していなかった人が投資しやすくなるような工夫がされてきているとは言え、まだまだ資金を運用する習慣は一般的には根付いていません。そういう意味では、ミドルリスク・ミドルリターンという位置づけで、売り時や買い時の心配をしなくて良い投資オプションとしてのソーシャルレンディングのポテンシャルも変わっていません。

ついでに言うと、ソーシャルレンディングの事業を始めるハードルも低くなってきています。ライセンシングなどの規制は同じですが、業界内のネットワークやノウハウが蓄積されてきていて、maneoのようにプラットフォームを提供してくれる業者もいるからです。

つまり、需要と供給のポテンシャルは依然としてあり、ソーシャルレンディングの事業も以前より始めやすくなっているということです。コンセプトがもっと普及するにつれて需要も供給もまだまだ伸びるはずですし、そのニーズを満たすために新たに参入する業者のまだまだ出てくるはずです。

ソーシャルレンディングの仕組み的問題は徐々に解決される

これはある意味みんなのクレジットのおかげと言えるかもしれませんが、理論的な問題が現実となったことで、仕組み的な問題を本格的に見直そうとする動きが出てくるはずです。

今回のことで、みんなのクレジット以外のソーシャルレンディング事業者はソーシャルレンディングというコンセプト自体の信頼性を傷つけられて迷惑を被ったわけですが、幸いなことに、業界内のネットワークは現時点で既にかなり発展してきています。

今村はもちろん業界の人ではありませんが、各社のイベントや日々の活動を見ているとコラボして行っているものが増えていて、規模も大きくなってきていると感じます。

なので、業界としてこの問題に関する対応や働きかけを行おうと思えばできるレベルである、と見ています。

実際に各社が団結して業界として動くかどうかは分かりませんが、投資家としてはやはりここで何かして欲しいところです。これができるかできないかで日本のソーシャルレンディング業界への評価が変わると思うので。

でもまあ業界が何もしなくても、行政は今回の事件をスルーすることはできないでしょう。ソーシャルレンディングは従来の金融機関が回せなくなったお金を回して経済を促進する役割を担っていると一応行政は認識しているので、まあその認識度と関係者の能力にもよるかもしれませんが、何らかの対策があるでしょう。

行政の対策と言えば、FXに関する税制が徐々に整えられてきたように、ソーシャルレンディングに関する税制も今後は徐々に整えられてくるんじゃないかと思います。

提供される利回りの意味を考える重要性が出てくる

既に利回りに関する変化はちらほら見えてきていますが、利回りの変化の背景を考えることは、ソーシャルレンディングの事業者を評価するうえで重要になるのではないかと思っています。どういう方針でどういう経営をしているのかを垣間見ることができるからです。

例えば最近今村が気づいたパターンは以下の通り。

実績を積んで一定数の登録者を確保した会社が利回りを下げるパターン

投資家を集めるために投資家の取り分として提供していた利回りを高く設定していた会社が、登録者が一定数集まってファンドの資金を集めるのが容易になってきた時点で自社の取り分を上げて投資家の取り分を下げることで次は収益化を目指すようになる、というパターンです。要は今までの高利回りの一部はマーケティングだった、というわけです。

トラストレンディングなどは以前から「高利回りはプロモーション的なところもあるから将来的には下げる」みたいなことを言っていましたし、実際に以前は10%以上がほとんどだったのが、最近のファンドは利回りが9%台や8%台になっています。貸し付け利率は同じですので、トラストレンディングが自社の取り分を上げているということです。投資家としては利回りが下がって残念ですが、これはトラストレンディングの経営がきちんとプラン通りに進んでいるということだと見ることもできます。ちなみに新規登録者に対するキャッシュバックも今年の6月末で終わる予定になっていますので、登録するのであればその前にしておくのがおすすめです。

ラッキーバンクも同様です。以前は10%台だったのが9%台になり、最近は8%台や7%台まで下がってきています。なので、登録者数が目指すところに来ているんでしょう。

最近のラッキーバンクのすごいところは、高めのファンドの募集を告知して入金を促し、その後、内容はほとんど同じのファンドを順に利回りを落としながら出しているところです。そうすると目当てのファンドが買えなかったけれど入金してしまっている人が利回りが低いファンドに流れる、というしくみ。今村もひっかかりました。ほとんどのファンドを瞬時に満額成立させるラッキーバンクの手腕には以前から感心していましたが、このやり方に関してはちょっと微妙です。

ただ、ラッキーバンクは出金手数料を負担してくれますから、目的のファンドが買えなければ出金すればいいだけです。(今村は面倒だったので「くっ、やられた……」と思いつつ利回りが低いバージョンを買いました。)

実績を積んで登録者が増えてもあまり利回りが変わらないパターン

もしかすると単に目標の登録者数に達していないからなのかもしれませんが、とりあえず今の時点ではクラウドクレジットのファンドの利回りは一部を除きあまり下がっていません。むしろ、安定感を増してきているようにも見えます。

クラウドクレジットは、不動産関連の案件をその都度組んでファンドを作っている会社と違って海外のパートナーを経由して(実際の借り手は毎回違いますが)内容が同じファンドをシリーズ化して組んでいます。また、運用報告会では「このまま行けば◯◯後に黒字になる予定」というコメントがあったので(◯◯に当てはまる数字が何だったのかはちょっと思い出せないです。ごめんなさい)、クラウドクレジットは「一定数の登録者を確保してから自社の取り分を増やすことで収益化」というモデルではなく、「ボリュームが一定に達すると対費用効果が一気にあがって収益化」というモデルなのではないか、というのが今村の推測です。

だとすれば、今後も利回りを自社の都合で変えることはあまりないのではないかと。

「一部を除き」と言ったのは、現地での需要・供給のバランスがくずれて供給が増えてくると貸し付けの利率自体が下がってきてファンドの利回りが落ちることがあるからです。

投資家と資金を囲い込むために利回りが引き上げられるパターン

新しくソーシャルレンディングに参入した会社が最初は自社の取り分を削って高い利回りを投資家に提供するのと同じで、途中でキャンペーンなどと称して通常よりも高い利回りでファンドの募集があることがあります。

よくやっているのがクラウドリースです。大抵、運用期間を1ヶ月ずつずらしたりして何本にも分けて募集するので、恐らく満期が順に来るように設定することで再投資される資金が将来的に一定のレベルで確保できるように工夫しているんだと思いますが、このようなケースは特に案件の内容を確認すべきだと思います。

あとSBIソーシャルレンディング。ソーシャルレンディングの会社としては古株で、今までずっと利回りが低めな案件を中心に出してきていました。今村はSBIソーシャルレンディングでは投資してませんが、低めの利回りでもSBIグループの会社であるということで安心感が持てるからという理由で投資していた人も多いんじゃないかと思います。でも最近、ピュアウォーター事業用の貸付で年利10%の案件で募集してます。内容を見た限りハイリスクなんじゃないかという印象が拭えないんですが、恐らく高利回りなソーシャルレンディング事業者が増えてきて利回りが低い案件ばかりではダメだという危機感が出てきたんじゃないでしょうか。なので、古株の会社が利回りを上げてくることもあるわけです。

まとめ

ソーシャルレンディングが今後もまだまだ拡大するのは確実です。長期的には仕組み的問題も解消されるはずです。でもそれまでに様々な収益化モデルの事業者が様々なライフサイクル上で様々なマーケティング戦略を打ち出してくるでしょうし、これから参入するであろう業者もいて、事業者の見極めが一層重要になると思います。

 

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こちらのソーシャルレンディング事業者の比較も参考にしてください。

「ダメな会社の法則」でソーシャルレンディングの会社を比較してみました

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