この間フルマラソンを完走した話を書きましたが
素質も体力も経験もなかった初心者のあたしがフルマラソンを完走した話
今日は、この体験を通して今村が学んだことを「何かを始めてやり遂げるための秘訣7条」としてまとめます。
まだ上の記事を読んでない人はそちらを読んでから戻ってきてください。
- 第1条:自分の中から湧いてくる力を使う
- 第2条:まず基本をしっかり学ぶ
- 第3条:できることをできる範囲でとりあえずやる
- 第4条:大きな目標を立てて宣言する
- 第5条:負荷をかけた練習を取り入れる
- 第6条:体調をしっかり観察して身体を大切にする
- 第7条:自分に嘘をつかない
第1条:自分の中から湧いてくる力を使う
今村の場合、たまたまその場の流れで走りたいと思って走り始め、その後自分がフルマラソンができるくらいまで伸びるのか試したくなって試したわけですが、これが「健康のために走ろう!走るからには何か目標を持って取り組もう!」的な考えで始めたことだったら、恐らく挫折していたか達成にもっと時間がかかっていたと思います。
絶対同じ集中力で取り組めなかっただろうし、やっていて楽しくなかったはずなので。
そもそも、もともとの自分のレベルでは「健康のために走ろう!」なんていう、あの頃の自分には到底できそうにもないことは考えつかなかった可能性大です。
やりたいことをやるのが最強という話は以前もしたことがありますが、やりたいことについて考える時、大抵の人は「◯◯が得意だから」とか「◯◯して人の役に立ちたい」とか、理由付けして考えるのではないかと思います。
それ、必要ないんじゃないの?と今回思いました。
むしろ、そういうのは無視した方が人生に意外性があって面白いのでは?と。
実際今村は、自分が走ることを楽しいと思うような人だとは夢にも思ってませんでしたから。
なので、ちょっと自分の中で何かが引っ掛かったとか、疑問に思ったとか、これやりたい!と思ったとか、そういう小さなことにきちんと向き合うと、何もしなくても意外な力が湧いてきて楽しく何かを始めてやり遂げることができてしまうようです。
できるかな?とか、人類の役に立つかな?とか、そういうことを考えるのはやめましょう。
第2条:まず基本をしっかり学ぶ
世の中なんでもそうですが、まず基礎を押さえるのが大事です。最初から自己流でやると、結局は遠回りすることになったりします。
なぜかと言うと、大抵のことには先人が辿り着いた「やり方」というものがあって、最終的に自分に合うかどうかは別としても、そこには必ず学べることがあるからです。
今村もそれは走り始める前から分かっていました。だからランニング教室に行ったり、ランニング歴が長い友達に教えてもらったり、本や雑誌やYouTubeなんかも駆使して最初から基本を学ぶことを心がけたわけです。でも、今回改めて基礎を押さえることの重要さをしみじみ感じました。
そもそも自己流にやれるほど能力がなかったのが良かったのかもしれません。
なんにせよ、あれだけハードにトレーニングしたにもかかわらず、一般的によくある怪我や故障が全くありませんでした。筋肉痛や疲労はもちろんありましたが、それも対処法が分かっているのと分かっていないのでは全然違います。
スポーツ貧血は防げませんでしたが、貧血をランニングにすぐに結びつけることができたのはランニングと必要栄養素についてちょっとかじったあとだったからです。
また、体系的に学んでトレーニングのプランを組んで練習したのが大正解でした。
実際、こういうやり方でなかったら、こんな効率的に短期間でフルマラソン走るところまでいかなかったと思います。
そして、最初に基礎を学ぶことの最大の利点は、その後の過程が無駄に辛くないということです。
実際、スポーツ貧血でちょっと休んでいた期間以外は、わりとレシピ通りに頑張ればある程度の結果が出るという感じだったので、あまり心が折れませんでした。むしろ、やればやっただけ伸びる自分が面白くて仕方なかったという感じでした。
最初に時間をとって基礎を学んだからこそ、そういう進歩の仕方ができたわけです。
そしてそういう進歩があったから飽きなかった、と。
第3条:できることをできる範囲でとりあえずやる
とりあえずやってみると課題が見えてきたり道が開けてきたりするものなのだということも学びました。
いや、スポーツってそうするしか仕方ないものなんですよね。見よう見まねでやってみて段々上達していくものです。だから当然と言えば当然です。
でも、これは人生全ての面で言えることだったりします。
今村はわりと物事を分析してしまうタイプです。なので、何かを始めるにしても必要以上に調べ物と分析をして、なかなか実践に移せなかったりすることがあります*1。
でも、分析や情報収集なんて適当に終わらせて、失敗に終わろうがなんだろうがちょっとやってみることが一番手っ取り早いということをしみじみ感じました。
この考え方は今後一層大事になるはずです。
だって、ちょっとググれば物凄い量の情報が出てきますからね。画像もあるし動画もある。ハウツー記事もあるし体験談もある。調べだしたらキリがないし、そのせいで余計に不安になっていたら本末転倒です。
なので、完全に理解していなくても、ホントにそれでいいのか分からなくても、とりあえずやりながら考える、というくらいがちょうどいいのではないかと思います。
第4条:大きな目標を立てて宣言する
厳密に言うと、今村は自分で宣言したわけじゃありませんでした。
フルマラソンのエントリーで当選したことを知っていた友達が「当選したんだって!」とみんなにバラし、みんなから「そうなの!?」と聞かれたから白状した、というのがホントのところです。
完走できる自信が全くなく「大丈夫なの?」と言われるのが嫌だったので宣伝しなかったわけですが、バレたあとは開き直っていろいろ教えてもらったり応援してもらったりしていたら、「絶対完走するぞ」という気持ちがどんどん強くなっていきました。
宣言すると引っ込みがつかなくなるというのは確かにあると実感しました。笑
全くダメでも、努力しているところを見せれば人は応援してくれます。本番では5キロごとに通過したタイムがネットにアップされていたんですが、みんながあたしのタイムをチェックしているのは、プレッシャーではなくむしろモチベーションになってました。
なので、できそうにないことであればあるほど宣言すべきなのかもしれません。宣言する相手はある程度選ばなくてはダメかもしれませんが。
第5条:負荷をかけた練習を取り入れる
マラソンのノウハウを必死に学んでいたときに読んだ本のひとつが、小出監督の「マラソンは毎日走っても完走できない」でした。
正直言って、今村には本の後半のメニューを実践する力がなく、前半しか参考にならなかったんですが、とても重要なことを学びました。
覚えておいてほしいのは、「毎日走っている」だけでは、マラソンのトレーニングにならないということ。脚に負担をかけていなければ、強い脚はできません。42.195キロを走りきる脚はできないのです。ときには息がゼーゼー言うくらいまで追い込む。
小出監督曰く、マラソン大会で完走できなかった人たちにどんな練習をしていたか聞くと「毎日5キロ走っていた」とか「週末に10キロくらい走っていた」と言うそうです。でも、毎日同じようなペースでトコトコ走っているようじゃダメなんだそうです。
ちょっと話は逸れますが、今村の仕事が一番忙しいのは年度末の2~3月で、この時期には何をどう頑張ってもさばき切れないような量の仕事が入ってきます。
でも、毎年この時期に自分の過去記録に挑戦して仕事に集中すると、自分の能力が明らかに上がっていることに後からハッと気づくんですよ。
以前はあまり意識していなかったんですが、小出監督の本読んでそういうことかと納得しました。
つまり、自分の分野からちょっとハズレたものや、普段なら断るようなキツイ納期のものを「ゼーゼー言うくらいまで追い込んで」一定期間やるからこそ、年度末は今村にとって翻訳能力のトレーニングになっていたということです。
レベルアップしたいなら毎日やっているだけではダメということに気付いていない人って、結構多いんじゃないかと思います。
長い間習い事をしているのに上達しないと言う人、いますよね?あれはつまりそういうことです。是非レベルアップした練習を取り入れてください。
第6条:体調をしっかり観察して身体を大切にする
身体が資本というのは、誰でも少なくとも頭では分かっていることだと思います。今村も分かっているつもりでした。
でも今回、マラソンに向けたトレーニングという、体調がパフォーマンスにダイレクトに影響することをしてみて、いかに自分が分かっていなかったか痛感しました。
寝不足だと頭がイマイチ働かなくて仕事が遅くなるとか、ずっと運動しないで仕事してると肩がこるとか、そういうレベルの身体とパフォーマンスの関連付けはアバウトすぎで、間違ってはいないけれど具体性が低いと気づきました。
今回マラソンに向けてトレーニングして学んだのは、もっと細かくて具体的な身体とパフォーマンスの関連性です。
例えば、強い脚を作るために負荷をかけたトレーニングすると筋肉痛になりますが、これは厳密に言うと筋肉細胞が一旦壊されて強化されているわけなので、筋肉細胞を作るアミノ酸を入れてあげるとそのプロセスが楽になり筋肉痛がましになります。
また、スポーツをしてると鉄分が不足しやすい→鉄分が不足するとスポーツ貧血になりパフォーマンスが低下する→一旦スポーツ貧血になってしまうと完全に治るのに時間がかかる、というようなことも、何がどうしてそうなるのかを知ることで何をどう対処すれば良いか明確になります。
あと、走った距離・ペース、履いていたシューズ、天気、体調、体重、睡眠時間など毎日記録を付けていたことで、何がどうその日のパフォーマンスに影響するかもだいぶ分かりました。
きちんと観察して理解すれば対応できることはたくさんあるということです。
そして、何をどうすれば体調が良くなりパフォーマンスも良くなるのかが明確になると、「◯◯しなくては」という意識ではなく「◯◯しておこう」という意識になり、やっていて辛くなくなります。
しつこいようですが、やっていて辛くないというのは何かをやり遂げるうえでとても重要です。
第7条:自分に嘘をつかない
第1条から6条までを実行するうえで大事なのが、自分に嘘をつかないということです。
何かをやり遂げるというのは、自分との約束を守るということだからです。
でも、これはただ単に自分に厳しくするという意味ではありません。本当に体調が悪ければ練習を休んでも構わないし、本当にこれ以上頑張れないのならタイムが遅くても構いません。振り返ったときに「自分はいつも全力を尽くしてきた」と言えるならそれで良いわけです。
逆に言うと、本当は心の底で「今日の練習サボるべきじゃないなぁ」と思っているのに「今日は忙しいし、体調くずすといけないからやめておこう」と理由をつけてサボった場合、自分にちょっと嘘をついていることになります。
そして自分にちょっと嘘をつくとどうなるかと言うと、後から胸を張って「全力を尽くしたよ!」と言えなくなってしまうわけです。自分に嘘をついたかどうかは自分が一番良く分かっているので。
今回、今村は最初から自分に嘘はつかないと決めて頑張ったわけではありませんでした。ただ単に、やりたいと思ったことを自分の中から湧いてくる力でやっただけでした。
でも結果的に1回も自分に嘘をつきませんでした。今どこをどう思い返しても、自分があれ以上頑張れたとは思えません。
そして、そこから学んだのは、全力を尽くしたあとは、結果がどう出ても受け入れられるということでした。
今村は1回目の挑戦でフルマラソンを完走できましたが、もしできていなくても全くOKだったと思います。「直すところが分かったから次は行けるよ!」と言って努力を続け、最終的にはどこか別のフルマラソンを完走していたはず、と断言できます。
つまり、全力を尽くしていると、失敗は失敗ではなく、成功するまでの単なる過程にしか見えないということです。
また「全力を尽くしたうえで自分がやり遂げると決めたことをやり遂げたときは充実感の違いがハンパない」ということも学びました。
適当にやって何かを達成したときの喜びと全力尽くして何かを達成した時の喜びにこれだけ差があるのなら、いつも全力を尽くしたほうが良いです。
全力を尽くせないようなことをやっている時間がもったいないです。
みなさんも、是非試してみてください。全然違うことがわかるはずです。
*1:追記:今はわりと早めに調べ物や分析を切り上げられるようになっています。