経済的自由のススメ ~そのあと~

経済的自由を得て現役引退したあとの生き方

仕事を自分の好きな方向へ持っていくプロセス

この間、お金を生み出す能力の話をここでしました。

老後資金に関する不安を解消するお金を生み出すシステムや能力

で、「なんなら一生やってもいいってくらい好きなことで稼ぐ能力があったら最強だと思う」みたいなことを言ったんですが、今村が具体的にどういう努力してるのかまとめたら役に立つかも……と思いついたので、今日はその辺について書きます。

これは、あたしがフリーランスで翻訳業してるうえで今までやってきたこと・やってることですが、企業勤めでもなんでも応用が効くと思うので、使えるものは使って、今やってることをもっと自分にとって楽しい方向へ持っていってください。

ちなみに、今村は複数の翻訳会社を介して仕事をもらっています。クライアントが翻訳会社に依頼し、翻訳会社が今村に発注するという形です。

最初は何でも引き受けて全力を尽くす

どんな仕事でもそうだと思いますが、最初はどうしても他の人がやりたがらないような仕事しか回ってこなかったりします。翻訳で言うと、単価が低いとか、翻訳じゃない作業も料金に含まれているとか、「意味が分かればそれでいいから」って言われるとか、内容がほとんど固有名詞とか、そういうのです。

でも、駆け出しの頃は貰える仕事をなんでも喜んでこなしてました。まあ「タダでもやりたい」と心底思ってたのでホントに喜んでたんですが。

今はもっと選り好みしてますが、新しい取引先の場合は「こういう系統の仕事を請けています」という範囲を示した上で、それでも多少違うものを依頼されたら喜んで引き受けて全力をつくしています。まず信頼してもらえる関係を作るのが大事だからです。

また、何でも引き受けて全力を尽くす別の意義として、自分が何に向いていて何に向いていないか、何が好きで何が嫌いかを判断するためにいろいろなことを体験できるということもあります。

自分の向き不向きや好き嫌いをしっかり把握する

自分が好む方向へ仕事を持っていくためには、自分が好む方向がどちらなのかしっかり把握する必要があります。

今村は最初の1~2年はビジネス翻訳をメインにやっていました。

特に、マーケティング関係は、アメリカで企業勤めしてた頃に企画書だのパワポだのをイヤって言うほど作っていた経歴があったため、高評価を頂いていました。ですが、自分は日本のパワポの英訳は大嫌い*1で、好きなのはアンケートの調査票とかデータ分析が入った報告書の英訳だと分かったので、マーケティング関係はそれしか請けないようになりました。

また、あたしが統計データ分析の英訳ができることに気づいたある翻訳会社の担当者の方が学術論文の英訳はどうですかと打診してくれて、それがすごく楽しかったので、それ以来はそっち関連の仕事が取れるように営業するようになり、今ではそれがメインになっています。

このように、同じ仕事でもどちら方面に行けば自分の能力が発揮できて楽しいかを常に考えるわけです。

その他にも、

  • どんな翻訳会社や担当者と仕事するのが自分の好みなのか
  • どんな仕事の流れだとやりやすいのか
  • 逆にどんな会社や担当者とは仕事したくないか
  • どんな仕事のやり方は受け入れられないか

なども常に考えていました。どんな基準で自分が相手を「ブラック企業」と認定するかとかも決めていました。

そして、ざっくり優先順位をつけて、どの翻訳会社の、どの担当者からの、どんな案件が一番の理想で、どの翻訳会社の、どの担当者からの、どんな案件が一番嫌なのか自分でしっかり認識しておきます。

こうすることで、どの案件を優先して請けるのか瞬時に判断できるわけです。そうすると、自分にとって楽しいスケジュールを組むことができます。

自分の好みを日頃からアピールしておく

どの翻訳会社のどの担当者のどんな案件が一番好きか自分で認識できたら、それをその担当者にしっかりアピールしていました。

好きなタイプの案件を納品したときに「今後このようなタイプの案件にもっと取り組みたいと考えています」とか「このタイプの案件は得意なので楽しかったです」とか「今後この分野についてもっと勉強していくつもりです」などと伝えることで、同じ系統の仕事が貰えたら嬉しいとアピールしておくわけです。

で、実際に自分が好む案件が入ってきたら全力で取り組んで、必ず高評価を出すようにしみます。これを繰り返して、好きなタイプの案件の比重をどんどん増やしました。

同様に、嫌な案件についても自分のポリシーを考えてそれを伝えます。

嫌な仕事に関しては、自分の立ち位置を踏まえてどの取引先にどこまで嫌だと伝えるべきか考える必要がありますが、基本的には、自分が好きな取引先に対しては寛容的な対応をして、そうでない取引先には「◯◯に関しては次回から別料金とさせていただきます」とか「今後はこのような案件はお引き受けできません」などと伝えるわけです。

こうすることで、嫌なタイプの案件がだんだん入ってこなくなります。

力を入れる案件とそうでない案件を見極める

自分の力の配分も好きなタイプの仕事かそうでないかによって変えます。

例えば、OKが出てクレームも発生しないレベルの品質が80点だとした場合、どんなに嫌な案件でも必ず80点以上の品質で納品します。納期も絶対守るし、クライアントから質問や修正リクエストが来たりしたらきちんと丁寧に対応します。これはプロとして当然。

でも、自分が今後も取引を続けたい相手からの案件は必ずそれ以上、例えば90点レベルで納品するよう心がけます。そして「このクライアントには今後指名してもらいたい」と思うような案件に当たった場合、100点以上で納品するように全力を尽くします。

100点以上というのは、翻訳自体の品質だけでなく、どこまで調べ物をしてどのような申し送りやコメントを添えるかというところまで含めての話で、目標はクライアントを「おお!」と言わせることです。

本当は全案件100点で納品すべきなのかもしれません。

ですが、時間も労力も有限なので、相応の評価をしてくれない相手や何も言ってこない相手に注ぐ力はセーブします。いずれにせよそういう相手からは継続して仕事をもらっても仕方ないからです。

そして、その分のエネルギーはホントに仕事をしたい相手に注ぐことで、その相手との仕事は継続でき、結果として自分の好みに合う仕事が増える、というわけです。

誰に評価される必要があるのか見極める

自分がいいと思う翻訳を誰もが認めてくれるというのが理想ではありますが、実際は見る人の知識や価値観によって「良い翻訳」とされるものが微妙に違うことがあります。なので、誰に評価される必要があるのかを見極めて、柔軟に対応しています。

例えば、クライアントに次回は指名してもらいたい場合は、クライアント第一でクライアントに喜ばれそうな形で翻訳します。

あまりネイティブには好まれない表現だと思っても、クライアントがそのような表現を過去に使っていたらあえてそれを使い、ネイティブ校正者には「この訳語はクライアントの過去案件に合わせているので修正しないでください」と指示を入れて納品するとかね。

一方、特にそのクライアントの指名が欲しいわけではないけれど、その翻訳会社からは継続して発注してもらいたい場合、ネイティブ校正者やプロジェクトコーディネーターなど、自分の翻訳原稿をチェックする人からの評価を重視した翻訳の仕方で納品します。この場合、クライアントが特に「原文に忠実に」みたいな指示を出していない限り、ネイティブ校正者が好む訳文にするわけです。

クライアントが「前と同じ訳者さんでお願いします」と言って発注してくれたり、校正者が「この訳者さんの訳文いいよ」と翻訳会社の担当者に言ってくれたりするようになると、入ってくる案件が自分好みになるだけでなく、納期や単価の交渉にも有利になります。

まとめ

取引先を増やしつつ、上記のサイクルを回してどんどん取引先や案件を選別していくと、だんだん自分が好む取引先や案件ばかりになってきます。

「フリーランサーなのにそんなに強気でいいの?」と思うかもしれませんが、一旦請けた仕事はきっちりこなすということをずっと継続してやっていれば信頼されるようになりますし、一旦信頼を確保してから断りたいものをきちんと心を込めて説明して断れば、全く問題ありません。

実際、もっとブログに力を入れようかなぁと思うようになってからは、それまで以上に容赦なくやりたくない仕事は断っていたんですが(ただし実際に断る時は感謝して心を込めて)、逆にホントに好きなタイプの仕事しかこなくなって「やっぱり翻訳そんなに急いで辞めなくていいかも……」と思い始めてるくらいです*2

とにかく、請けた仕事はきっちりこなすという前提で、自分の好みを把握して周りにそれをアピールし、自分の時間と労力を今後もやりたいものに集中的に注ぐというやり方をしているとわりと自分の思うような方向へ物事が動いていきますよ。

試してみてください。

*1:日本の企業はパワポを参考資料と勘違いして情報を詰め込めるだけ詰め込んでくるケースが多いです。日本企業のパワポとエクセルの使い方はめっちゃ独特です。

*2:辞める方向で進めていたのは、将来的に翻訳に求められるものがスピード重視で品質はあまり関係なくなったり、機械翻訳などが発達したりすることで、環境や条件の面で翻訳という仕事が嫌になるかも……と思っていたからです。翻訳自体は今でも好き。