クラウドクレジットでの投資資金のやり取りが11月1日から変わります。今までは投資の申込をする→クラウドクレジットから振込の指示がくる→指定期間以内に申し込んだ金額を振り込むという形で、元利金の分配は直接自分が登録した銀行口座に振り込まれてくることになっていました。でも、預託金口座が11月1日に開設されることになり、投資家はクラウドクレジットの口座で資金を保留できるようになり、分配金も登録した銀行口座でなくてこちらの預託金口座に振り込まれることになりました。
実際、ソーシャルレンディングの会社のほとんどが最初からこの形でサービスを提供しています。預託金口座なしでやってきているのはクラウドクレジット以外ではスマートエクイティくらいのはず。
なので、クラウドクレジットを使っている人や使おうかなと考えている人にとって、どこがどう良くなるのか簡単にまとめます。
預託金口座の利点
今まで登録投資家に割り当てられていた口座は振込専用で単に申し込んだ金額をファンドに投資する際に経由させるゲートのようなものでした。そのため、例えば100万円入れておいて投資したいファンドの募集があったら10万円ずつそこから投資することはできませんでしたが、預託金口座ではそのようなことが可能になります。
また、分配金も登録しておいた自分の銀行口座ではなくこちらの預託金口座に支払われるようになります。つまり、再投資したい場合、以前のように自分の銀行口座に直接戻って来た分配金を集めてもう一度振込し直すという手間がなくなるわけです。
具体的な利点は以下の2つです。
振込回数を減らして手間と手数料を減らせる
投資するたび毎回振込するのは面倒ですし、振込手数料もその分かかってしまいます。でも投資にまわしたい金額が分かっている場合は先にその分入金してしまえば手間も手数料も一回で済みます。今村は今までは投資したいファンドが複数出ている状態を見計らって申し込んで振込が一回で済むようにしていましたが、そのようなこともしなくてよくなります。
また、投資するファンドを増やしていくと分配金や元利金が順次入ってくるようになりますが、これが自分の銀行口座に戻らずに預託金口座に蓄積されていくと、新しく資金を振り込み直さなくても次のファンドを購入することができるようになります。
投資にコミットできる
一定の金額を投資にまわしたいけれど投資したいファンドの募集が現時点では無いという場合でも、とりあえず振込だけしてしまうことができます。極端に言うと、例えば自分で毎月一定の金額が自動振込されるように設定してしまって、強制的に積み立てのようにソーシャルレンディング用に資金を確保するというようなことも可能です。
分配金に関しても同様です。直接自分の銀行口座に戻ってきてしまうと使ってしまうという人もいるかもしれません。でも預託金口座に蓄積されていけば、そっくりそのまま再投資にまわすのも簡単になります。
ちなみに例えば100万円を年利5%で運用した場合、前年度のリターンを再投資するのとしないのでは30年後に182万円の差がでます。
クラウドクレジットの預託金口座概要
出金手数料
最初に述べたとおり、ほとんどのソーシャルレンディングの会社が預託金口座を提供しています。そしてほとんどの会社が投資家が出金するの際に手数料をチャージしています。2016年10月時点で出金手数料が一番安いOwnersBookでも300円、400円台はSBIソーシャルレンディングの420円とmaneoの432円、あとは基本的に特定の銀行の特定の支店でないかぎり756円というパターンです。10万円を年利5%で運用して税込みリターンが5,000円ですが、引き出すのに756円かかったら実質年利4.2%ということになってしまいます。
この点では、預託金口座がなくて直接銀行口座に分配金が振り込まれて出金手数料がかからなかったときのほうがよかったわけです。
でも、恐らくこれを考慮してだと思いますが、クラウドクレジットは毎月(1日〜月末までの間)1回まで預託金口座から投資家の銀行口座へ送金する際の振込手数料をクラウドクレジット側が負担すると発表しています。(同月で2回目以降は756円)
つまり、今回預託金口座で便利になりつつも出金手数料は1回までは無料というイイとこ取りのような形になっています。
ちなみに、預託金口座を提供しつつ振込手数料も負担している会社もあります。ラッキーバンクとクラウドバンクです。
追記:SBIソーシャルレンディングも2016年12月1日から出金手数料が無料になります。
最低投資額
クラウドクレジットは預託金口座のサービスを開始するにあたって、最低投資金額を今までの5万円から1万円に下げることになっています。
いくら預託金口座に分配金が振り込まれるようになって再投資しやすくなったと言っても残高が最低投資額に達していなければ実際に投資できないので、ハードル1万円に下がったことによりそれほど長く待つことなく再投資できるというわけです。
注意点
今までは入金なしで投資の申込を行って、クラウドクレジットから確認のメールがきてから一定期間以内に入金すればよかったんですが、11月からは先に入金しておかないと投資の申込ができなくなります。
クラウドクレジットは今のところ募集開始とほぼ同時に満額成立してしまうことはないので、募集開始の日時を確認してそれまでに入金をきちんと済ませておかないと買えなくなるということはありませんが、投資したい場合は余裕を持って入金しておきましょう。
また、既にクラウドクレジットで登録している人は、入金する口座が新しくなるのでこれまでの口座に間違って振り込んでしまわないように気をつけましょう。また、預託金口座を利用するには「クラウドクレジット取引約款」に同意する必要がありますので、マイページにログインしてアカウント情報管理のページに進み、預託金口座に関する同意事項を確認してください。同意しない場合、分配金は今までどおりに登録してある銀行口座に直接振り込まれますが、11月からは新しいファンドへの投資ができなくなります。
まとめ
少し前に、日本でなるべく現金を遊ばせないで運用しつつ何かあった時に必要な現金は確保できるような枠組みを作るにはソーシャルレンディングでラダリングするのがオススメという話をしました。
現金を確保しながらもなるべく多くの貯蓄を運用にまわす「ラダリング」のススメ
今回、預託金口座ができることでクラウドクレジットをラダリングに組み込むのがとても簡単になりました。一定の資金を投入してラダリングし、ぐるぐるまわしておけばよいわけです。
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