経済的自由のススメ

好きなことで稼いで、保険として投資で資産形成して、それを死ぬまでに全部使い切る、という生き方のススメ

大人の金融教育として読みたい本「寄付をしてみよう、と思ったら読む本」

みなさま、大変お久しぶりでございます、今村です。

年度末はいつも忙しいんですが、それを別としてもなぜかこの時期は毎年怒涛のごとく何かが起こる仕組みになっているようで、なんだか揉みくちゃにされていました。

ブログに書きたいこともあったんですが、なんだかんだしてる間に流れていってしまって……って、去年も全く同じこと言ってましたね……やれやれ。

でもとにかく疲れたので、今年の年度末は31日まで待たずに28日で締めました。で、今日はだいぶ前から書こうと思っていた「寄付をしてみよう、と思ったら読む本」について書こうと思います。


タイトル通りの本なので、すでに寄付してる人や寄付してみようかなと思ってる人は今村のレビューなんて飛ばして早速本を読んでください。

でも「寄付かぁ……うーん……」みたいな感じで「否定はしないけどなんとなく身近じゃないんだよね」と思っている人は、ちょっと今村のレビューを読んでいってください。

著者

まずですが、この本は日本ファンドレイジング協会の代表理事である鵜尾雅隆氏と、コモンズ投信の会長である渋澤健氏の共著書です。

日本ファンドレイジング協会というのは10年前に「善意の資金10兆円の時代」を実現させることを目指して設立された認定NPO法人です。寄付を広める活動をしています。

コモンズ投信は投資クラスタの人なら知ってると思いますが、独立系の資産運用会社です。信託報酬の一部を社会起業家応援プログラムに寄付することで知られている「コモンズ30ファンド」を提供しています。

つまり、この本は信念を持って寄付を推進してる2人が、寄付の社会的位置づけや意義などを説いている本というわけです。

なので、寄付金で活動している団体の事例では基本的に良いことしか書いていないし、最後の方にはコモンズ投信の仕組みや日本ファンドレイジング協会の活動についての話も出てきます。そういう意味では宣伝っぽく感じてしまう部分もあります。

ただ、こういう立場でこのような規模の実践をしている人だからこその認識や視点もあり、寄付とはどういうことなのか、今後どうなるのか、どう関われるのかなどの大局的なことを体系的に考えるにはとても良い本です。

内容

で、肝心の内容ですが、大まかな流れとしては

  • 寄付市場がどう拡大してきて、どのようなつながりを作ってきているか、そしてどのような可能性を秘めているかなどの解説があり、
  • どうして日本人の寄付総額は世界各国に比べて少ないのか、日本の文化を踏まえた今後の可能性は何かということについて様々な考察を行い、
  • 寄付の分野、社会的課題、行政や企業と比べたNPOの役割などを事例を示しながら説明し、
  • 寄付先の具体的な選び方として使える様々な基準や、寄付先のタイプを紹介し、
  • 寄付を広げていくうえでの現状の慣習や税制などに関する課題や提案の説明をして、
  • コモンズ投信を事例とした寄付の意義や考え方について述べ、
  • 子どもたちに対する寄付教育のすすめを説く

……という感じです。

こう書くと小難しそうであんまり面白くないように聞こえますが、具体的な話や事例を読んでいくと、へぇー、なるほど、と思わせるところが結構あります。

読みどころ

てことで、今村が興味深いと思ったところをちょっと挙げておきます。

寄付という財源の位置づけの変化

東日本大震災をきっかけとして寄付する人が増えていますが、それに伴って「社会に貢献したい」「自分たちでなんとかしなければ」という意識も高まっているそうです。

一方、低成長・高齢化社会で「経済成長→税収増→必要な人への配分増」という前提が成り立たなくなっていく中、行政だけでは取り組めない課題が増えているとのこと。 

よく「買い物は投票行為だから一人ひとりの買い物意識が社会を変える」みたいなことを言いますが、それがもっと露骨になるのが寄付なんじゃないかと思いました。

アメリカの富豪たちが莫大な寄付をすることで税金を減らし、勝手に使い道を決められちゃうお金を減らして直接自分で使い道を決めるお金を増やしているのも要はそういうことですもんね。

多数決ではシニア世代に勝てない若い世代なんかは特に「お金で意思表示して未来を選ぶ」ということをもっと考えるべきなのかも。

日本でなかなか寄付が広まらない理由

結婚式のご祝儀には引き出物を返す、葬式の香典には香典返しで返すなど、日本には贈与・互酬関係に厳しい文化があることが一方的な寄付が広がらない大きな理由の1つだそうです。

貰ったらお返しして当然、返さない奴は社会人として失格、見返りがないのにあげるってどうなの?みたいな意識ですね。

あー、なるほどねー、としみじみ思いました。

返済義務がある学費ローンを「奨学金」って呼ぶのが日本ですもんね笑

逆に寄付が広まれば、日本のそういうちょっと過剰な文化もおさまるかもしれません。

人が寄付する動機のあいうえお

人が寄付する動機はこのように分類できるそうです。

  • あ=愛(困っている人がいたら助けたい)
  • い=粋(成功したから還元しよう)
  • う=内輪(仲間にカンパしよう)
  • え=縁(縁があって応援したくなったから応援しよう)
  • お=恩返し(支援してもらったから今度は自分が支援しよう)

まんべんなくできる人間になったらカッコよくないですか???

NPOの役割

営利目的の企業や税金を財源とする行政ではやりにくい社会的課題の発信や解決策のモデル作りをしつつ、企業と連携して営利運営して継続できるビジネスモデルに発展させたり、行政と連携して政策への反映させたりするのがNPO、という説明でした。

見えにくい社会問題を顕在化させたり、解決法のあり方を探ったりという、非営利で財源に税金のような制約がなく、またボランティアを動員するなどのレバレッジも使えるNPOでないとできない部分をカバーしているということです。

社会全体の中でのNPOの役割がこのように定義されると、自分がどの分野でどの団体に寄付すべきなのか考えやすくなるんじゃないかと思います。

例えば、顕在化させても絶対政策にならないようなマイナーな分野の場合は、同じ分野の中でも啓蒙より解決法にお金を流す方が合理的ということになります。

この辺は投資対象決めるのと同じですね。 

寄付先の選び方

このセクションには、税制優遇措置があるのはどの団体に対する寄付か、何を基準に団体の信用度を計るかなどに加え、団体が取り組んでいるテーマや団体を率いている人物に対する共感や、寄付者が得られる体験価値、寄付方法など、様々な視点を寄付先を選ぶ際に使える基準して挙げて説明しています。

また、コミュニティ財団やソーシャルベンチャーなど、あまり知られていない寄付先の形態や、遺贈寄付やファミリー財団などを使った寄付の仕方などにも触れています。

詳しくは本を読んで欲しいんですが、なるほど、こういう視点から寄付先を選ぶのもありだなぁとか、こういう寄付の仕方もあるのかとか、寄付に興味がある人にはとても参考になります。

ファミリー財団、300万円から始められるそうですよ!  

寄付教育のすすめ

日本ファンドレイジング協会とコモンズ投信は子供を対象とした金融教育もしていて、お金の使い方を消費、貯金、寄付、投資の4つに分けて教えているそうです。

実際にどんな感じで教えているのかも興味深いので、特に子供がいる人は本を読んでこの辺を参考にして欲しいんですが、「子供というのは消費と貯金という行為は直感的に理解しているけれど寄付と投資のことはよくわかっていない、でも寄付と投資のことを教えるとお金の価値や意義を理解して目的を持って消費や貯金も考えるようになる」という話がありました。

これたぶん大人もそうなんじゃないですかね?笑

かっこいいお金の使い方やみんなが喜ぶお金の使い方を学べば、子どもたちも「自分もああしたい、こうしたい」と前向きにお金を稼ぐようになるのでは、というようなことも書いてあり、逆にそういうこと学んでないから前向きにお金を稼げない大人が多いんじゃないの?と思いました。

まとめ

稼ぐ理由は何か?と聞かれたら、多くの人は生活のため、家族を養うため、ちょっと贅沢をするため、早くリタイアするため、みたいなことを答えるんじゃないかと思います。

あたしも概ねそうでした。そしてそれを十分満たすくらい稼ぎました。

でも「こういうかっこいい使い方をしたいから」とか「こういうみんなが喜ぶ使い方をしたいから」みたいな理由があったらもっと稼いでたんじゃないかと思ったりします。小さくまとまっちゃったのは志が並みだったからなんじゃないか、みたいな。

あと「お金を上手く社会で循環させる」ということをもっと若い頃に学んでいたらなぁと思うことも多いです。

でもまあ人生に遅すぎることはないって言いますからね、そういう意味では読んでよかったな、若い人にも読んでほしいな、と思う本でした。

寄付をしてみよう、と思ったら読む本

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