またちょっとご無沙汰してました、今村です。
2019年もあと1ヶ月半ちょっとしかないって知ってました?
この間ツイートしましたが、「時は流れていく」ですよ、ホント。やりたいことはやっときましょうね。
【今日の言葉】
— 今村咲 (@saki_imamura) 2019年11月8日
"Time goes on. So whatever you're going to do, do it. Do it now. Don't wait." - Robert De Niro
(時は流れていく。だからやろうと思ってることはなんであろうとやれ。今やれ。待ってるんじゃない)
さて今日は、藤野秀人氏の「投資家みたいに生きろ 将来の不安を打ち破る人生戦略」を最近読んでいろいろ思ったことがあったので、ちょっと書いておこうと思います。
あ、先に言っておくと良書です。
「日本国民全員が読むべき!」と言いたくなる本です。ただ……というのが今日の話。
概要
この本は、簡単に言うと「投資という概念や投資家の思考を、お金の運用に限らず生き方そのものに応用しましょう」という趣旨のものです。そのための具体的な考え方とそれを阻む日本人の価値観や意識について説明し、投資家の思考を実践するためにオススメの習慣がリストされています。
参考までに目次を貼っておきますね。(写真の撮り方がヘタクソでごめん)
まあ言ってみれば、投資という切り口でまとめた自己啓発本という感じです。
そして実際、自己啓発本で語られるようなポイントはほぼ全部カバーしているんじゃないかというくらい、いろいろ盛り込まれています。
「習慣1」「習慣2」に書かれていることも具体的でわかりやすいです。
内容に対する感想
個人的には、「そうそう!だからあたしも日本社会の行く末が不安になるのよ!」「そうそう!こういう思考を持てばこうできるはずだよね!」みたいな感じで、最初から最後まで共感しかありませんでした。
日本人の傾向や投資に対する考え方に関するモヤモヤがきれいに言語化されてまとめられてる!という感じです。
あと、自己啓発的な思考のポイントがとてもよく網羅されていることも感心しました。
マジでこういう本を中高生くらいから教育の一環として読ませておくと、日本は良い方向に向かうんじゃないですかね。
あたし自身も、「この辺はできてるけど、こっち方面はできてないなぁ」みたいな感じで、全体的な見直しを改めてできた気がします。
でも、総まとめ的に深堀りしないで書かれているので、自己啓発本を読み倒している人には新しい情報っぽいものがなくてつまらないかもしれないし、逆にあんまりそういうことを考えたことがない人は全部一度にきちんと消化するのは大変かもしれません。
いずれにしても難しくはないです。さらっと読めます。
あと、これはまあ本のレビューとしてはどうでもいい話かもしれませんが、個人的には、そもそもの「投資家の考え方を生き方に応用しましょう」というポジショニングにちょっと驚かされました。
本来は「投資家の考え方を生き方に応用すると良い」ではなく「生き方の哲学を投資にも応用すれば良い」だと思うんですよね。実際、本書で書かれている考え方は投資家特有のものではなく普遍的なものだし、投資と関係なく身につけるべきものです。
なので、この本が「生き方の哲学を投資という例を使って説明しましょう」ではなく「投資家的な考え方を生き方にも応用しましょう」だということ、そして実際、日本ではこの手の考え方は「投資家の考え方」とした方がわかりやすかったり受け入れやすかったりするのかもしれないということを考えると、いろんなことが示唆されているようでとても興味深いです。
本書が書かれた背景
ところで、藤野氏は本書を書いた背景として、今年の6月に金融庁が出した報告書「高齢社会における資産形成・管理」とそこから発生した「老後資金2,000万円問題」について触れ、これに対するメディアの煽り方と世間の残念な反応から*1
「これは、根底から考え方を変えないと、不安に取り憑かれて、ますます萎縮した日本になってしまう」
そんな危機感を、投資家である私は抱きました。
(中略)
これらはすべて、投資家みたいに考え、投資家みたいに生きることで、ちゃんと解決ができる問題なのです。
と書いています。
つまり、本書は「日本国民の意識が変わらないと日本社会の未来が危ないから、根本的な考え方を変えてくれ、具体的にはこういうことだ」と説明している本なのです。
この辺も今村はものすごく共感できるのですが、ここからが「ただ……」という話になっていきます。
「投資家みたいに生きろ」と言われてできる人とできない人
おそらく、ですが、そもそも「投資家みたいに生きろ」を読むような人って、すでにある程度 "投資家的"な意識を持っている人なんじゃないかと思います。
この本を読むことで意識が向上したり意識の変化が加速することはあるかもしれませんが、読まなかったとしても他の経路で学んで日本社会を生きていける人なんじゃないですかね。
一方、最も意識を変えて欲しい層っていうのは、投資に興味がない人たちですし、この手の本はあまり手に取らない気がします。
たとえ手に取って読んだとしても、そんなに簡単に意識を変えない人たちなんじゃ?
藤野氏は本書で日本人には
- 社会全体が成り立つためには自助がベースで、共助や公助は必要に応じて組み合わせるべきものという認識や、自立する気持ちが欠けている人が多い
- やりたくないことに時間や労力を費やす我慢料が給料だと思っている人が多い
- 投資なんて勉強したこともないし、やるつもりもないと思っている人が多い
と指摘していますが、このような人たちに共通するのは思考が停止しているということです。
「自分は関係ない」とか「どうせ無理」とか「ズルい」とかで思考が止まっている人に何か説明し、「でも自分は関係ないし」「でもどうせ無理だし」「でもズルいでしょ」以外の反応を引き出して意識を変えてもらうというのは簡単なことじゃないです。
「投資家みたいに生きろ」と言われてできる人とできない人の差は、知識があるかないか以前に思考しているかしていないかの違いじゃないかと思います。
できる人を増やすには
ではどうしたらいいのか?
思考が止まっている人の思考を再起動させる一番効果的な方法は、成功例を見せることです。
どんなに頑固な人でも、どんなにネガティブな人でも、どんなに臆病な人でも、成功例を目の当たりにすると意識が変わります。
「あの人にできるなら自分もできるのでは?」とか「自分もやらないと損なのでは?」というスイッチが入るからです。笑
……ということで、「『投資家みたいに生きろ』は日本国民全員が読むべき!」と言いたいところですが、そんなことを言ってもダメなような気がするので、言い方を変えます。
あなたは「投資家みたいに生きろ」と言われてできる人ですか?
この本を読んで考えてみてください。
できると思うなら、できそうだと思うなら、実践してください。成功してください。
そして、できない人のために成功例になってください。
だって、自分だけが豊かな社会より、みんなが豊かな社会の方が良くないですか?
*1:個人的には一番残念だったのは政府の対応だと思いますが