みなさん、こんにちは。日本円の運用ができていなくて困っている今村です。
米国株に関しては自分なりの投資運用の仕方が確立されているし、定期預金もアメリカでは利率が日本ほどヒドくないので、ドルの運用はそれなりにできてます。でも日本円に関しては、あたしの米国株の投資のやり方が日本株に通用するとは到底思えず、でもテクニカル分析に走って毎日市場に張り付いているのも気が進まなくて、どうしていいのか困っています。去年は仕方ないのでIPOに申し込んでみたりしていましたが、2回しか当選しなかったし(当選方法論みたいなのも調べて、なるほどねーと思った方法もあったけれど実行したいとは思えず)、普通預金よりましか…というだけで定期預金にしてある分もあまりに低い金利に見るたび脱力してしまう、という状態です。
ですが、この間偶然、本業の翻訳でソーシャルレンディングに関する案件があり、訳しながら「これって日本円の運用にいいかも!」と思ったので、みなさんにも紹介します。
ソーシャルレンディングとは
「クラウドファンディング」という言葉は聞いたことがある人も多いんじゃないでしょうか。何かの目的のためにネット上で寄付を募ったり、アイデアを商品化するための資金を集めるためにネット上で何かプレゼント的なものを購入してもらったりするアレです。「コミュニティファイナンス」というのも聞いたことがある人がいるかもしれません。発展途上国で貧困層に対して行われている小口融資のマイクロファイナンスが代表例のコミュニティを介した融資です。
これらは両方ソーシャルファイナンスの一種ですが、ソーシャルレンディングというのもソーシャルファイナンスの1つです。こちらはクラウドファンディングとコミュニティファイナンスの間にある感じで、一般の金融機関から融資されにくい案件に対してネット上で個人が投資として融資するものです。P2Pレンディングとか、投資型クラウドファンディングなどと呼ばれることもあります。
ソーシャルレンディングの背景と銀行融資との違い
ソーシャルレンディングが広まっている大きな理由にリーマン・ショック後のバーゼル規制があります。バーゼル規制とは、各国の中央銀行が加盟するバーゼル銀行監督委員会が国際的業務を行う銀行に対して定めている指針ですが、リーマン・ショック後にこのようなことが再発しないように出されたバーゼル3が融資の規制を厳しくしたため、従来の金融機関がカバーできない融資のニーズが大きくなったのです。
従来の銀行融資では、預金を預かった銀行がその資金で自らリスクを負って融資を行い、融資で得た利息から利益を差し引いて残りを預金者に利息として払います。ソーシャルレンディングの場合、個人投資家は仲介会社のプラットフォームを通して中小企業や個人に融資しますが、リスクは自分が負う形となります。その結果、融資で得た利息から仲介会社への手数料は払いますが、利率自体は銀行預金より遥かに高いものとなります。
ソーシャルレンディングのメリットとデメリット
以下、魅力と欠点を考えてリストしてみました。簡単に言うと、リスクやリターンが定期や債券のようなものと株や為替のようなものの中間にある感じで、投資先もちょっと趣向が違うので、いろいろな意味で面白そうです。
メリット
- 定期預金や債券などよりも利率が良い
- 少額から投資可能で、株のように一定資金を必要としない
- 少額な投資ができるため、リスクも分散しやすい
- 不動産や海外投資などちょっと趣向が違うものに投資できる
- 融資先によってはマイクロファイナンスや環境改善などの社会貢献に繋がるものもある
- 流動性がない(定期と同じでそれ自体を売買できない)ため、市場の動向で価値が変動することがない
- 金利で資産を増やし売買の利益で資産を増やすものではないため、一旦買ったら満期まで何もしなくてよい(市場に張り付いて売りどきを考える必要がない)
- 中リスク・中リターンなため、低リスクだが低リターンの定期預金や債券よりもリターンを上げたいが、高リターンだが高リスクの株や為替ほどのリスクを負いたくない場合にちょうどいい
デメリット
- 運営会社によって提示される融資先に関する情報が少ない
- 株や為替のような手軽さで投資対象に関する客観的(第三者による)分析データを得ることができない
- 元本保証がない(融資先の倒産、貸し倒れなどのリスクがある)
- 目標利回りはあくまでも目標なので、実際は下回ることがある
- 中途解約や現金化ができない(満期まで待つしかない)
ソーシャルレンディング運営会社と主な投資タイプ
今ざっと調べただけですが、結構たくさんのソーシャルレンディングの仲介会社があり、提供している商品も、かなりいろいろあります。国内不動産関連が多いのですが、よく見ると不動産取得、開発、不動産業者、など内容的にはいろいろです。
- maneo:国内中小企業、国内不動産
- AQUSH:国内中小企業(不動産担保)、国内自然エネルギー発電事業
- SBIソーシャルレンディング:SBI証券に株を預けている人(株が担保)、不動産担保ローン事業者、その他特定の事業
- クラウドバンク :新興国マイクロファンド、国内中小企業、代替エネルギー
- クラウドクレジット:海外に特化。中小企業、個人、金融事業者、自動車リース
- OwnersBook:国内不動産業者
- ラッキーバンク:国内不動産業者
- LC Lending:国内不動産(プラットフォームの運営自体はmaneo)
- みんなのクレジット:国内中小企業、国内不動産、海外ローン
- GAIA FUNDING:海外不動産(プラットフォームの運営自体はmaneo)
- スマートエクイティ:国内中小企業、海外預金、社債、その他特定の事業
- SmartLend:国内・海外事業支援(プラットフォームの運営自体はmaneo)
- トラストレンディング :国内不動産、債券
- Crowd Lease:国内店舗ビジネス(プラットフォームの運営自体はmaneo)
たくさん選択肢があるとどの会社がいいのか、どの投資案件がいいのかちょっと迷いますね。でもどうも日本株でうまくやれそうにもないあたしとしては、もう少し詳しく検討したい投資オプションです。どの仲介会社がいいのかとか、実際のところリスクはどうなのかとか、ぼちぼち調べていこうと思います。