経済的自由のススメ ~そのあと~

経済的自由を得て現役引退したあとの生き方

ソーシャルレンディングの会社比較・レビュー:2017年版(Part 1)

去年ソーシャルレンディングで投資し始めてすぐに会社比較をしました。

ソーシャルレンディングの会社比較:2016年版(Part 1)

ソーシャルレンディングの会社比較:2016年版(Part 2)

この2つの記事では、主にそれぞれの会社の概要、期待利回り、出入金手数料についてチェックして、とりあえずどこで投資を始めるか考えるときに参考になるような比較をしました。

あれから新しい会社も出てきたし、返済実績も出てきているので、前回の情報に変更があるか、実績はどうなってるのかなどの視点から比較を更新します。基本的な概要については触れないので前回の記事を参考にしてください。

会社はサービス開始が古い順にリストしています。

maneo

登録ユーザー数、成立ローン額がともにどこより圧倒的に多いソーシャルレンディングのプラットフォームです。maneoはもともと国内の不動産や事業者向けのローンファンドを中心に提供してきていましたが、自社のプラットフォームとノウハウを提供するフランチャイズ業もどんどん拡大させていて、それによって海外不動産、環境インフラ、店舗ビジネスなど加盟者が扱っているファンドもセレクトファンドとして提供するようになっています。

ちなみに現時点での加盟者はLCレンディング、GAIA FUNDING、Crowd Lease、SmartLend、AMERICAN FUNDING、Green Infra Lending、SAKURA SOCIAL LENDINGの7社ですが、海外に向けて加盟者も募集しているので今後も増えそうです。

追記:この後、すぐにCash Flow Financeが加わりました。

期待利回りは5%~8%くらいが多いようで以前より若干上がっているのかな?という印象です。また、運用期間も以前よりバラエティが増えていて2、3ヶ月から2年近くまでいろいろです。フランチャイズ戦略の効果が出てきてるなぁと思わせます。

総評:以前から登録ユーザー数、成立ローン額ともに一番だったが、ファンドのバラエティも急増しているので分散投資の利便性が上がっている。実績も一番長い。

興味がある人はこちら>>maneo

AQUSH

前回の総評は「そもそも今でも営業してるのか不明」でしたが、どうみても運営はストップしています。サイトはまだあるので一応リストに入れておきますが。

総評:明らかに運営してない。

興味がある人はこちら>>AQUSH

SBIソーシャルレンディング

前回見たときの総評は「SBIグループで会社的には安心感があるが、利回りが低い」でした。今回はと言うと、証券担保ローンファンドの利回りは相変わらず2.0%で不動産担保ローンファンドはほとんど同じの2.8%~4.3%ですが、オーダーメイド型ローンファンドは5%前後だったのが3.5%~7.0%へと少し上がっています。実際、現在募集されているメガソーラーブリッジローンファンド4号は年利が7%で、2月10日から募集が始まる不動産バイヤーズローンファンドは年利が6.5%です。

また、以前は出金手数料が一律420円でしたが、2016年12月1日から無料になりました。ちなみに、現在SBIソーシャルレンディングでは投資家登録+メルマガ登録でSBIポイントがもらえるキャンペーン実施中です。こちら↓

SBIソーシャルレンディング

SBI証券のポイントと合わせて使えます。

総評:利回りが少し良くなってきて出金手数料も無料になった。実績も問題なし。

興味がある人はこちら>>SBIソーシャルレンディング

クラウドバンク

新興国マイクロファイナンスファンドは2015年5月以降全く募集なし、不動産担保型ローンファンドは去年の11月以降募集なしという状態で、現在は中小企業支援型ローンファンドと代替エネルギー特化型ローンファンドが主になっているようです。

とは言え、全体の募集案件数や募集金額が特に少なくなっているわけではないようです。また、運用期間は5、6ヶ月前後が多く、利回りはほとんどが6%台で、この辺は前回見たときとあまり変わっていません。

クラウドバンクのビジネスにどのくらい貢献しているのか少々疑問ですが、経済メディア「マネセツ」はボチボチ運営されているようです。2016年前半には頻繁に行われていた資産運用セミナーは8月以来全く行われていません。また、メールマガジン経由で案件の案内は来ますが、公式ブログ「Crowd Bank Magazine」は6月以降全く更新されていません。

総評:経営陣が少々迷走している印象。案件数はあり、すぐに満額成立しない分買い付けはしやすいはず。

興味がある人はこちらから>>クラウドバンク

クラウドクレジット

全体的に他の会社より高い期待利回りのファンドを提供していますが、海外の子会社・提携会社・プラットフォームなどを介していること、為替ヘッジがないファンドでは為替の影響があることなどからスキームを理解してリスクを検討する難度が高めです。そのことはクラウドクレジット自身も認識していて、運用報告会を開催したり詳細を説明した運用レポートを出したりコミュニケーションに努めていますが。

直近の運用報告会とその時点までにリリースされていた運用レポートについてはこちらでまとめています。↓

クラウドクレジット運用報告会と運用レポートのまとめ:その1

クラウドクレジット運用報告会と運用レポートのまとめ:その2

総評:他の会社とは全く違うタイプのファンドを提供しているため、よくある不動産ばかりに集中して投資したくない場合に検討の価値あり。ただ、込み入ったファンドが多い。

興味がある人はこちら>>クラウドクレジット

OwnersBook

OwnersBookでは、ほとんどの案件が「期限前に貸付先の不動産会社が該当する物件を売却して早期弁済が行われる場合で、売却価格がターゲット価格を上回ったらその差額の何%かを投資家に配分しますよ」という設定になっているのですが、ここ最近は実際に期限前償還の案件が続出しており、確定利回りが予定利回りを大きく上回っているケースが多くなっています。

また、前回見た時は予定利回りがほとんど全部5%で設定されていましたが、最近は6%のものも出ているようです。案件数的には少な目ですが、案件一覧表の過去案件に確定利回りと確定運用期間が記されていて実績も分かりやすくなっています。

あとOwnersBookは今年の1月31日から家計簿アプリのマネーフォワードと連携し始めたので、他の資産と一緒に管理できて便利です。

総評:不動産のエキスパートが手堅くやっているという印象。期待利回りは低めだが、確定利回りが大きく上回る場合もあり。

興味がある人はこちらから>>OwnersBook

ラッキーバンク

ソーシャルレンディングは業界自体が急成長していて業界全体としての募集案件数も募集額もずっと右肩上がりですが、そんな中、募集するやいなやものの数分で満額成立になってしまうという状態がずっと続いているのはラッキーバンクだけです。募集額に対する応募額の割合で言うとラッキーバンクは恐らく業界のトップクラスのはずですので、そういう意味では貸付の仲介者として借り手からの評価も高いはずです。

また、2016年8月にLBIリアルティという子会社を設立して自らも不動産業に参入しました。これについてはここで書いていますが、 要はラッキーバンクが融資先の不動産案件をより詳しく把握し精査できるようになる(=リスク要因が減るまたは明確になる)ということです。

ラッキーバンクがLBI リアルティという子会社を設立した件について

期待利回りも高い方で、返済実績も増えてきています。

総評:すぐに満額成立になって買付けしにくいのは変りないが、期待利回りが高めで自らが不動産業を行っている利点もあり。

興味がある人はこちら>>ラッキーバンク

スマートエクイティ

前回見た時も他の会社より明らかに取扱いが少なかったのですがさらに少なくなっているようで、現在は年利が8%で自社商品(サプリ)を3点もらえるという「サプリ生活ボンド」という債券がたまに出ているだけのようです。

第1回債は2016年11月に償還済みとなっていて、その後第7回債が発行されているので恐らく運用自体はうまくいっているのではないかと思いますが、詳細はありません。

自社コラムも更新が2016年10月で止まっています。

スマートエクイティは一時期、株式投資型クラウドファンディングの準備をしていたことがありました。でも当初2016年7月スタート予定だったのが8月に延期になり、9月に入ってからまた延期され、結局うやむやになってしまったという経歴があります。

総評:案件数が極端に少なく、現在経営的にどうなっているのかも疑問。

興味がある人はこちらから>>スマートエクイティ

LCレンディング

ファンドの期待利回りや運用期間は前回見た時とあまり変わらず、6%前後で6ヶ月か12ヶ月というパターンが多いようです。

業界全体と比べて期待利回りが高いとは言えませんが、LCパートナーズがアセットマネジメントするSPCに対しての融資をLCホールディングスが保証するというファンドも多くあり、リスク対リターンという視点で見るとわりとリーズナブルです。

募集があってもすぐには満額成立になりませんが、結果的には満額成立するケースが多いという状況です。

総評:高いリターンより低いリスクを重視し、募集があってからじっくり考えて投資したい人にはいいかも。

興味がある人はこちらから>>LCレンディング

みんなのクレジット

前回見たときの総評は「会社の経営という観点で疑問点が多いが、キャッシュバックの量はハンパない」でした。その後、キャッシュバックは一層加速したようで、スペシャルボーナス、スーパーボーナス、クリスマスボーナス、年末ジャンボキャッシュバック、新春お年玉キャンペーン、上乗せお年玉、新システム稼働キャンペーン、再投資ボーナスなど、名前を変えてキャッシュバックを盛大に行っています。そのため、キャッシュバックも入れるとかなりの高リターンになります。

でも、その分満額成立の案件が相次いでいるのかというと全く逆で、相変わらず募集がかかってもなかなか投資資金が集まらず、募集金額の50%前後で成立している案件や20%台で成立している案件が多くあるという状況です。募集額に対する応募額の割合で見た場合恐らく業界でも最低レベルなので、どういう意図があって盛大にキャッシュバックしているのか疑問です。

総評:キャッシュバックの量はハンパないが、会社の経営という観点で疑問。

興味がある人はこちら>>みんなのクレジット

Part 2の予告

Part 2では以下の会社を見ていきます。

  • GAIA FUNDING
  • トラストレンディング
  • J.Lending
  • Crowd Lease
  • スマートレンド
  • TATERU FUNDING
  • AMERICAN FUNDING
  • Crowd Realty
  • Green Infra Lending
  • SAKURA SOCIAL LENDING

=====

Part 2、書きました!

ソーシャルレンディングの会社比較・レビュー:2017年版(Part 2)