最近ニュースのツイートを休んでいる今村です、こんにちは。
もうね、最近アメリカの政治のニュースを見ててもストレスしか感じないし、それをツイートするのも疲れてきたよ。なので、しばらくニュースのツイートはお休みします。
— 今村咲 (@saki_imamura) 2020年10月6日
気が向いたら政治以外のニュースのツイートは再開するかもしれないけど、とりあえず今日は全部休む。
ごめんねー。
格差、国家の分断、人種差別、情報操作などなど、アメリカを象徴する問題は別に今に始まったことではありません。
そんなことくらいでストレスを受けてても仕方ないと言えば仕方ないし、そもそも今村がやきもきしたって何も変わらないんですが、今村にとってアメリカは25年間愛着を持って暮らした国なのです。ここ数年でずいぶん悪化したなぁと思うと、とてもとても悲しいのです。ストレスなのです。
また、ツイートすることで客観的に事実だけ見て感情に負けないようにしようと努力してましたが、
- 小学生でもルールくらい守ってもっとまともなディベートするだろ!と突っ込みたいけどそんな気力さえなくなる大統領選討論会があり*1
- 今まで再三マスクしろと言われてるのに、マスクをしている人を馬鹿にして自分もしたりしなかったりしてたアメリカ大統領がとうとうコロナ感染し、
- でも政府は容態の件でまともな情報を流さずメディアを混乱させ*2、
- そんな中、当の本人は、退院前に1ミリも必要もないのに支持者らに手を振りに行き、同乗せざるを得なかったシークレットサービスをコロナ感染の危機に晒したので*3、
さっきツイートした動画でトランプ氏が「外にいる支持者たちを驚かせに行く」って言ってたけど、ホントに車で顔を見せに行ってみんなに手を振ってる…… https://t.co/Xg7gs802j2
— 今村咲 (@saki_imamura) 2020年10月5日
ホントにコロナ感染してるんなら、同乗してるシークレットエージェント全員が感染の危機に曝されてることになる。トランプ氏が外に出て手を振るためだけに。
— 今村咲 (@saki_imamura) 2020年10月5日
何がホントなのかもうよくわかんないけど。
イライラがマックスになっていたところ、ダメ押しのように
- トランプ氏が国民に向けて「コロナを恐れるな」と呼びかけたのを見て
I will be leaving the great Walter Reed Medical Center today at 6:30 P.M. Feeling really good! Don’t be afraid of Covid. Don’t let it dominate your life. We have developed, under the Trump Administration, some really great drugs & knowledge. I feel better than I did 20 years ago!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) October 5, 2020
とうとう
あんたは自分につきっきりの医師団がいて、誰も入手できない治療薬や軽度の症状の一般人感染者には適用されない薬も適用してもらえる身分だからそんなことが言えるんでしょ!!!💢
一体何人のアメリカ人が死んでると思ってるわけ??💢
何人の政府関係者が感染してると思ってるわけ???💢
どれだけ実経済がコロナに影響されてると思ってるわけ???💢
本来ならあんたが国民の手本になってマスクを推奨すべきでしょうが!!!💢
「恐れるな」だと?ふざけんな、コノヤロー!!!💢💢
と、キレました*4
そしてこんな低レベルのことにキレさせられたことにも頭にきて、ニュースを見たくなくなったのでニュースのツイッターを停止しました。
まあ、ここ数日で怒りはだいぶ収まってきましたけどね。
でもここで、国家のリーダーに求めるべきもの、そして国民一人ひとりに求められるものについてちょっと言いたいので、今日はその辺について書きます。
リーダーとしての人格
私たちが政治家を選ぶときにまず見るのは何でしょう?
その人がどんな政治的見解を持って、どんな政策を推しているのかですかね?政治をする人を選ぶんですから、まあこれは当然です。
あとは、どんな知識、実績、人望などがあるのかとか、どれほど頭が切れて人を動かせるのかとか、リーダーとしての経験やスキルも見るかもしれませんね。きちんと任務を遂行できそうな人がいいですもんね。
でも、トップを選ぶときに一番大事と言うか、大前提にあるべき要件は人格です。
どれほど人間ができていて、どれほど広い視野で物事を見つめて正しい行動を選択できるか、ということです。
前回のブログ記事で「美意識があるCEOを選ぶ」という話をしましたが、それと似ています。「真・善・美」という美意識を持って行動できる人をリーダーとして選ぶべきなのです。
もっと言うと、リーダーは自分ですべてできる必要はなく、自分の周りを優れた政策を提言できる専門家たちと政策をきっちり遂行できるチームで固めれば良いだけなので、美意識のある人格者なら、他の要件は二の次でも構わないかもしれません。
逆に、ここが欠けていたら、どんなにすごい政策を掲げていてどんなに頭が切れそうでも要注意となります。
なぜか?という詳しい説明は、前回も紹介したこちらの本を読んで欲しいんですが、
端的に言うと、人間ができていなくて美意識の欠片もない人を権力者に据えるのは危険で不効率なことだからです。
美意識がある人格者なら、分断を煽ったり差別を許したりしません。「真・善・美」の全部に反するからです。分断や差別がある社会は犯罪が多くなり、不必要なコストも上がります。
美意識がある人格者なら、汚職もしません。職権や裁量権を自分の利益のために使うというのは、真実、善悪、美を無視するのが平気な人間でないとできないからです。特定の層だけが潤う社会は長い目で見るとやっぱり不効率です。
美意識がある人間はなんのルールがなくても分別で行動できますが、そうでない人間は法や罰則で律しなくてはなりません。でもこれは残念ながら簡単じゃありません。そもそも三権分立してるのは、万が一のときに権力者を律するのが難しいからです。
リーダーではなく人材という文脈ですが、バフェットおじさんもこんなことを言っています。
In looking for people to hire, look for three qualities: integrity, intelligence and energy. And if they don't have the first, the other two will kill you.
(人材を募集する際には3つの素質を探しなさい:人格、知性、エネルギーだ。そして、相手に最初の1つがない場合、残り2つは君を大変な目にあわせるだろう。)
もちろん、世の中には完璧な人間なんていませんから、完璧な人格者だってあんまりいないでしょう。だから、どっちがましか?という究極の選択になることもあったりします。
でも、少なくともそういう点を意識してリーダーを選ばなくてはならない、と思います。今はそういう視点が足りていないのでは、と。
一人ひとりの姿勢
話は変わって、実は今回の一連の出来事では、怒りの他に大きな驚きと落胆もありました。
トランプ氏が支持者たちに手を振るために退院前に車で出かけた件で、あちこちでシークレットサービスのメンバーを不必要に感染の危機に晒したことに対する非難が上がったわけですが、このとき今村が見たトランプの熱烈支持者たちの反応には「トランプ大統領のコロナなら感染してもいい」「むしろ感染したい」「感染してもいいからあの場にいたかった」という類のものがたくさんあったからです。
誰を支持しようと個人の自由です。
でも、相手が誰であろうと、このような盲目的な信者になってはダメです。信者になってくだらないことで身の危険を犯してもいいと思うようになってはダメです。
今、信者レベルの人がどのくらい増えてしまっているのかは知りませんが、こうなると健全な議論や意思疎通は難しくなります。
そうなると分断は増々深まるでしょう。絶望まで行きませんが、今村はかなりショックでした。
なので、もう一度言います。
相手が誰であろうと、盲目的な信者になってはいけません。盲目的な依存、崇拝、服従もしてはいけません。
政治家だけじゃなくて、上司でも先輩でも親でも配偶者でも、誰に対してでも、です。独裁国家とか、パワハラとか、いじめとか、毒親とか、DVとかは、全部そういうものの成れの果てです。
必ず自分のことを自分の頭で考えてください。本当の意味で自分を捧げてもいいのは夢とか信念とか大義だけです。
また、相手を自分に依存させようとする人は、人格も美意識もない人であり、他人を尊重できない人だということを覚えておいてください。あなたのリーダーにはふさわしくありません。
良いリーダーを選ぶには、あなた自身が強くならなくてはならないということです。一人ひとり、みんなが。
まとめ
アメリカ大統領の文脈で書きましたが、これは日本の総理でも上司でも誰でも同じです。リーダーにまず求めるべきなのは人格と美意識です。
だから、自分が誰をリーダーとしたいのか、誰をお手本にしたいのか、また逆に誰をリーダーやお手本にしたくないのか、自分の美意識を鍛えて選ぶことが大切なのです。
思考は現実になると言いますが、これは一人ひとりの思考もそうですし、大衆としての思考もそうです。
そういう意味では、今のあらゆる状況はなるべくしてなったとも言えます。そして、今のあらゆる状況は、みんなが変えたいと思うなら変えられるとも言えます。
そんな簡単な話ではないのかもしれません。
でも、John Lennonもこう歌ってました。
You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one
Dreamerと言われるならそれでいいです、今村は。
*1:しかも「白人至上主義者を非難するか」と聞かれて答えをはぐらかし、代わりに極右暴力組織のProud Boysに「待機せよ」とまで言い出す大統領まで見せつけられました。
*2:実際は内部関係者にもきちんと情報共有されていなかったという話ですが。
*3:ちなみに、メラニア夫人は「夫に面会しに行かなくていいのか」と聞かれて「陽性の私が動くとシークレットサービスのみなさんが感染してしまうリスクがあるので、控えます」と答えていました。
*4:今、冷静になってもう一度見ると「自分が試した治療薬も効いたし、これが承認されれば問題ない」と言いたかったのかなとも思いますが、レムデシビルはエボラの時とかに開発された薬なのでトランプ政権の手柄じゃないし、いずれにせよ、すでに家族や友人を亡くしている人はみんな怒りを感じたと思います。人の気持ちを汲むどころか煽る方向に行く傾向はトランプ氏の悪いところです。