経済的自由のススメ ~そのあと~

経済的自由を得て現役引退したあとの生き方

メンタリングの事例を紹介します(その2)

普段あんまりブログ書かないのになぜか最近立て続けに書いてる今村です、こんにちは。

以前から今村のブログを読んでくれてる人は知ってると思いますが、今村は2年半ほど前からメンタリングなんてものをやっていたりします*1

何を思ってそんなことをしてるのかは、こっちに書いています。

www.saki-imamura.com

基本オフレコでやってるんですが、公開すれば参考になるかもしれないとメンティの1人が申し出てくれたので、去年の10月に彼女とのやり取りを事例の1つとして紹介しました。 

www.saki-imamura.com

今日は、もう1つの事例を紹介したいと思います。 

アメリカにも投資にも全く関係ありませんが、読んでもらえると嬉しいです。

2つ目の事例紹介に至った経緯

最初の事例と同様、今回もメンティが申し出てくれたことがきっかけとなりました。今回紹介するメンティのSくんが「自分のやり取りも公開して構わない」と言ってくれたのです。

このあたりのやり取りは後で紹介するファイルを読んでもらえばわかりますが、正直言って、今村は最初乗り気ではありませんでした。

今までのやり取りをまとめるとなると、相当な量のメールを時系列に並べて、改行、行間、フォントなどの体裁を整えて、誤字脱字をチェックして、適当なところで区切って見出しをつけなくてはなりません。これ、結構地味に大変なのです。

そのわりに、前回やり取りを公開したときはほとんど反応がありませんでした。

もちろんフィードバックが欲しくて公開したわけではなく、あくまでも意義があると思ったから公開したのですが、あまりにも反応がなくてがっかりしたというのが正直な感想でした。

でも、Sくんに「メンタリングをしてもらって良かった、助けられたと思うことが多かったので、少しでもメンタリングの良さが日本人に認知されて欲しい」と言われました。 

「メンタリングが何なのかわかっている人は、ほとんどいないのではないか」「みな、無条件で肯定される経験がなく、どういうことなのかわかっていないのではないか」と。

……そうかもしれません。

そこで、今回は、メンタリングの良さをもっとたくさんの人に知ってもらうために、Sくんとのやり取りを公開することにしました。 

Sくんについて

メンタリング希望者募集はこれまでに2回していますが、Sくんは2回目の募集に応募してきてくれた人です。

自己肯定感があまりなく、またADHDなどの問題もあって、コミュニケーションに苦労している、というのが応募当時のSくんの姿でした。

でも、どうにかしたいという気持ちの強さや、人の意見を一生懸命聞いて行動しようという姿勢は見て取れたので、自己肯定感を高めて自分の価値観を作っていけば自然と良い方向に行くだろうと判断し、メンタリングをすることになりました。

なので、Sくんに対するメンタリングは、各所で彼を肯定し、どうしてそういう見方で良いのか説明するスタイルになっています。

前回紹介した事例では、もともとメンティが「メンタリングがなくても大丈夫なんじゃないか」というレベルだったので、メンタリングのスタイルは要所要所でちょっと背中を押しているだけという感じでした。そういう意味では、今回の事例は前回とちょっと違うと言えます。 

今回紹介するファイルについて

今回紹介するファイルは、Sくんがメンタリングに応募してきてくれてから約1年半に渡るやり取りをまとめたものです。

Sくんとのやり取りには「留学しようと決意し、頑張って夢を叶えた」みたいなストーリー性はありません。

その代わり、過去との向き合い方、英語の勉強の仕方、取引先との付き合い方、解雇についての考え方、幸せの探し方、SNSとの付き合い方などなど、日々いろいろなことにちょっとずつ向き合う形になっています。なので、見出しから読みたい箇所を選んで読んでもわりと大丈夫なんじゃないかと思います。

前回と同様、Sくんのプライバシーを守るために、SNSのアカウントなどは削除していますが、それ以外は基本的に誤字脱字の修正だけして全部そのまま時系列に並べて適当に見出しをつけただけ、という構成になっています。

こちらがファイルです。

Wordファイル

PDFファイル

キンドルやキンドルアプリを使って読む場合はWordファイルがおすすめです。

キンドルの設定から[マイアカウント]を開いて、[Send-to-Kindle Eメール]にある自分のメールアドレスに上のリンクからダウンロードしたWordファイルを送信すると、自動的にキンドルファイルに変換されて普通のキンドル本のように読めるようになります。

PCで読む場合やスマホでそのまま開けて読む場合は、PDFファイルの方が読みやすいのではないかと思います。

PDFをキンドルに送信することも可能ですが、そのまま送信するとフォントサイズを変えられなくなります。また、件名にConvertと入れて変換送信をしてもきれいに変換されませんので注意してください。

SくんとのQ&A

最初の事例を紹介したときと同様、今回このファイルを作成するにあたって、今村がSくんに質問する形で今までを振り返ってもらいました。

以下、Sくんからの返信です。

質問1

Sくんはもともと「日本とは違う価値観で物申して欲しい」ということであたしのメンタリングに応募してくれたわけだけど、その辺は期待通りだった?その他、実際にやってみて期待通りだったことやそうでなかったことはある?

始まった当初は自分に自信がないことばかり気になっていて、相談しても厳しい回答が来るんじゃないかと思っていましたが、(良い意味で)思っていたことと違っていました。

特に、2019年4月仕事のことで悩みと不安があった時は、日本人相手だと失業=悪と考えて前向きな話が出づらかったかもしれないところ、そうではない回答をいただけたので、結果的に割と短期間で持ち直すことができました。

このあたりは日本人と海外で働いたことのある人の働き方の価値観の違いが出ていて、今思うと非常にありがたいことでした。

質問2

Sくんは「やってみるまでメンタリングのことはよく知らなかった」って言ってたけれど、最初に戸惑いみたいなものはなかった?やり取りの要領を掴むのは難しくなかった?

質問1でも書きましたが、時には厳し目の回答やアドバイスがあるのではないかと思っていました。

しかし、しばらく続けると、メンタリングとは「無条件で相手のことを肯定して背中を押すことだ」*2ということが分かってきて、安心して続けられるようになりました。

また「要領を掴む」という考えは特に持っていませんでした。

基本的にこちらから何かあった時にメールを送らないと何も始まらないので、あまりやり方などを難しく考えないで「何か気になることや問題と思ったことがあったらメールする」ということだけを心がけていました。

お陰で、メンタリングを始めてからは以前より自分のことを見直す機会が増えました。

質問3

やり取りの中でも何度か語ってくれてるけど、Sくんが感じているメンタリングの一番の効果は何だと思う?メンタリングを始めた当時の自分と比べて、一番変わったな、成長したなと思うところはどこ?

「自分はダメな人間だ」と思うことがかなり減ったことです。

メンタリングを始めた頃は、ちょっとしたことで自分はダメだと考えてはやる気が下がる、ということを繰り返していましたが、そのようなことは今では随分減りました。

自分を貶めるような思考が減ったことで、自分のことについて前向きに考えられるようにもなってきました。

また、メンタリングの中で出てきた「日記を付ける」ことも、飽きっぽくて長続きしない性格な自分でも続けることができていて、今まで伝えてもらったことと併せて自分を振り返って考えることができるようになりました。

この「自分のことを振り返る」ということ自体もメンタリングを受けていなかったらやっていなかったことですが、「自分のことを振り返る」ことで、例えば1年前と比較しても自分が変わってきていると実感できるようになりました。

質問4

今回、Sくんは「メンタリングの良さを日本人に認知してもらいたい」という思いでやり取りの公開を申し出てくれたわけだけど、どんな人に特にメンタリングを勧めたい?

自分になかなか自信を持てなかったり、何か新しいことをやろうとしても長続きしなかったり、一歩踏み出せないような人に勧めたいと思いました。

今だからわかることですが、自分に自信がない人や、新しいことが始められないクセのある人は、自分のことを認めてくれる人がいる環境に恵まれなかったからそうなっているのだと思います。

決して自分に能力がないというわけではないので、興味のある人はぜひメンタリングを検討してみて下さい。メンタリングは、悩みや不安などを聞いた上で、具体的な回答ではなくあくまで背中を押して本人が自分の意思でその悩みや不安を解決できるように導いてくれるので、そんな悩みから抜け出せるかもしれません。

質問5

メンタリングを試したいと思っている人たちに対して、メンターの選び方やメンターとの付き合い方に関するアドバイスはある?

  • いつも謙虚であること
  • 人に伝えづらい自分のことでも、メンターを信じて隠さずに伝える
  • 「こんなことで相談してもいいの?」という考えはご法度

私の場合、最初に応募する時点で、かなり細かく自分の今の状況と考えていることをできるだけ隠さず正直に書いて送りました。

後になって「ここまで細かく応募文を書いて送ってきた人はいない」と言われて驚いたのですが、メンターとメンティは信用がないと成り立たないので、自分からできるだけ自分のことを正直に伝えることが第一だと思います。

そして、自分からアクションを起こすことで物事は具体的に動き出すので、連絡を待っているのではなく「自分から何か伝えてみる」ということを意識すれば、自ずとメンタリングの結果はついてくると思います。

最後に

ファイル作成にあたって、Sくんには今までのやり取りを何度も読み直してもらい、個人情報として削除する箇所、やり取りの区切りと見出しなどを確認してもらいました。

また、このブログ記事の作成にあたっては、今までのやり取りを振り返ってコメントも書いてもらいました。

Sくん、どうもありがとう。

「メンタリングに助けられたから、メンタリングの認知度を高めたい」とメンティ側から説得されたというのも、よく考えるとメンター冥利に尽きる話です。 

どうもありがとう。

 

そして、ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

良ければ、ぜひファイルも読んでください。いろんなことについて話しているので、共感が持てる話題も1つや2つはあるんじゃないかと思います。

実際、今村もメンタリングをしていて、別々のメンティが同じところで悩んだりつまずいたりしているケースを何度も見ています。

結局のところ、人はみな似たような道を通るんですよね。もう通った人、今通っている人、これから通る人、という時間差があるだけだったりします。

なので、たとえメンタリング自体をしないとしても、メンタリング的な考え方はもっと広まって欲しいです。

どこかの誰かにとっては、あなたは「もう通った人」なのです。

そして、あなたが今通っている道やこれから通る道を「もう通った人」もどこかに必ずいるのです。

全員がそう認識して助け合って生活したら、世の中なんてすぐに良くなります。

ではでは。

*1:現在メンティの募集はしていません

*2:厳密に言うと、今村のメンタリングで無条件に肯定されるには、1)最終的に却下しても良いが、一旦は今村のアドバイスを受け入れて検討すること、2)その後ちゃんと行動すること、という条件があります。アドバイスを真面目に検討しない人や、行動しない人には結構厳しいことを言います